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「サッチーはほんと嘘ばっかり(笑)」

阿川 でも、本では脚が綺麗だと感じたって(笑)。監督は女性を見る際、顔を重視するんじゃなく、脚から見て、だんだん視線を上げるって。

野村 たしかに脚は綺麗でした(笑)。

阿川 どうして顔より脚なんですか?

野村 サッチーの影響じゃない?(笑)

阿川 じゃあ、好きになった人の脚が綺麗だったからってこと?

野村 うん(笑)。でも、サッチーが話してた経歴は全部嘘だったけどね。子どものころ、長男のダンは外国人の血が入ってるなという顔立ちで、次男のケニーはそうは見えなかったのね。それもあって、長男はあまりに可愛いから、施設からもらってきて、次男は某デパートの御曹司と結婚して生まれた子だと僕には説明してた。たぶん、外国人と結婚していたことを言いたくなかったんだろうな。

夫婦でサイン会に参加(2002年撮影) ©文藝春秋

阿川 嘘をつかれた、とわかっても嫌いにはならなかったんですね。

野村 うん。誰の子どもかは、どうでもいいことだから。

阿川 それから、サッチーさんとお子さん二人との生活が始まるんですか?

野村 いや、子どもらとは一緒に生活してないんです。

阿川 えっ!?

野村 サッチーに「子ども二人はどうしてるんだ?」と聞いたら「妹が面倒を見ている」と言うので信用してたら、実は前のダンナが面倒を見ていた。ほんと嘘ばっかりでしたよ(笑)。

「チームを取るか、サッチーさんを取るか」

阿川 どこでサッチーさんの履歴が嘘だって分かったんですか?

野村 たしか、サッチー・ミッチー騒動でマスコミが色々調べて分かったんですよ。

阿川 それってかなり最近ですよね。その前に南海をクビになったのはサッチーさんが原因だったんでしょ?

野村 そうです。僕は知らなかったんだけど、言っちゃいけないことを直接選手に言ってたりしたんですね。

阿川 たとえば?

野村 家で「あいつは怠けるところがあるんだ」とボヤいたら、「あんた、怠けてるんだって?」と選手本人に言ってたらしいんです。まさかそんなことになってるとは思わなかった。

阿川 それを知って、監督はサッチーさんを叱らなかったんですか?

野村 叱りませんでしたね。

阿川 どうして?

野村 なんででしょう。まあ、好きにしたらいいやと思って。

阿川 ホホホ。このおおらかさが、本全体に表れております。実際、南海のオーナーから「チームを取るか、サッチーさんを取るか」と迫られたそうで。