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「サッチー、そんなに脱税していたのか」

阿川 その監督の所得をサッチーさんは脱税していたとして、一度捕まりましたよね。あのときは……?

野村 ショックというよりは、「そんな脱税していたのか?」ってびっくりしました。僕も調べられたんだけど、お金のことはまったく知らないから答えようがなくて。捜査官は「監督、ほんとに何も知らないんですね」と言って帰っていきました。

阿川 サッチーさんが家に戻られたときにはどんな話を?

野村 何を言ったかはもう忘れちゃったけど、「大変だったなあ」くらい言ったんじゃないかな。まあいまもお金にはノータッチで息子(克則氏)の嫁が管理してくれています。

阿川 お金に関心がないんですか。

野村 うん。

阿川 お金持ちになりたかったはずなのに(笑)。

野村 昔はね。カード制度になってから金持ちの夢が消えちゃった(笑)。

1992年の日本シリーズ、西武ライオンズ×ヤクルトスワローズ戦で ©文藝春秋

阿川 現金じゃないとつまんない(笑)。今回の御本に、若い頃からのことや、サッチーさんの思い出をたくさんお書きになって、少しは気持ちが落ち着かれましたか?

野村 こんなもんじゃ落ち着かないですよ。運、不運というのは存在するんだろうけど、少なくとも僕に女性運はないことはわかりました。

阿川 また~。いまからもう一度惚れるような女性に出会うかもしれないし。どういうタイプの人がいいですかね?

野村 考えたこともないな。

阿川 たとえば、すごく従順で。

野村 いや、そういうのはダメ。やっぱり強い女かなあ。

阿川 現金を持たせてくれる女の人はどうですか?

野村 持たせないほうがいいんじゃない? 男って金を握るとほかの女に走るじゃない。それができなかったからよかったんじゃないの。

「夫婦で一番よかったことは?」

阿川 結局、理想はサッチーさんなんですね(笑)。何年間、一緒にお過ごしになりました?

野村 45年かな。

阿川 その中で一番よかったなと思えることはなんですか?

野村 克則を産んでくれたこと。克則がいるからなんでも我慢できた。

阿川 克則くんのために我慢していらしたんですか?

野村 うん。誰に何を言われても、克則が幸せになってくれりゃ、と思って。