中国を代表する航空会社・中国国際航空(エアチャイナ)が、新型コロナウイルスへの対応を巡り、乗務員に「退職」、「法的措置」をちらつかせ業務を強いるメールを送っていたことが週刊文春の取材でわかった。
1月末、同社の客室乗務員たちへ日本支社から届いたメールには、
〈疫病を理由とする欠勤は一切認めない〉
〈厳しく勤怠管理、退職手続きを進める〉
〈会社が指定した乗務を放棄した場合、速やかに法的措置を取る〉
などの文言があったという。日本支社の社員が言う。
「絶対に休むな、休んだらクビだということです」
この社員によれば、同社はもともと感染への対応が遅れていた。中国で感染者が4桁に達した春節連休の頃になっても、乗務員たちに「マスクを着けてはならない」と指示。アルコール消毒も感染者が1万人を超えた頃、ようやく準備する状況だったという。
「『乗りたくない』とこぼしていたクルーもいました。自分たちのためだけではなく、機内の安全管理を徹底することでお客様の不安を取り除くためなのに」(同前)
NPO法人・POSSE代表理事の今野晴貴氏が指摘する。
「労働者は会社と労働契約を結んで働きますが、契約とは互いに権利と義務が発生する対等な関係。マスク着用など安全対策は会社側の義務で、それを果たさず社員に危険な業務に従事するよう命じる行為は、契約を理解していないという意味でまさにブラック」
中国国際航空日本支社広報部は週刊文春の取材に対し、「現在、事実関係を調査中です」と回答した。
中国国際航空社員の訴えをはじめ、横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセス号の状況、国内初の感染者が退院できた事情、今最も確実な予防法など、「新型肺炎」の今を13日発売の週刊文春で詳報している。

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