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「池袋暴走」飯塚元院長 厳罰を求める署名は39万筆以上 裁判はどうなる?

 昨年4月、東京・池袋で松永真菜さん(当時31)と娘の莉子ちゃん(当時3)が暴走車に撥ねられ即死し、通行人ら9人が重軽傷を負った事故から293日。運転していた飯塚幸三・旧通産省工業技術院元院長(88)が2月6日、過失運転致死傷の罪で東京地検によってようやく在宅起訴された。

昨年6月、事故の実況見分に立ち会う飯塚元院長 ©共同通信社

「この10カ月間、悲しみと苦しみの中でもがきながら、ようやく一歩が踏み出せる。在宅起訴であっても、裁判まで長引かないようにしていただきたい」

 妻と子の命を奪われた遺族の松永さん(33)は起訴後、会見でこう語った。

 飯塚自身も負傷していたため、警視庁は逮捕せずに任意で捜査を実施。事故から7カ月後の昨年11月、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて書類送検していた。社会部記者の解説。

「飯塚の所在が確認できていることや、証拠の収集が十分だったことで逮捕に踏み切らなかったようです。起訴まで時間がかかったのは、在宅のままの捜査だったため、原則10日の勾留期間などのルールが適用されず、時間制限が設けられなかったことや、被害者の数も多く、彼ら全員に実況見分をしてもらっていたことなどが考えられます」

 捜査が任意で進んだことで、飯塚の“元官僚”という肩書が身柄拘束の判断に影響したのではという憶測が飛び、“上級国民”なる言葉も生まれた。

「逮捕後の飯塚のふるまいも、世間の不信感をさらに煽っていました」(同前)