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「パラサイト」アカデミー賞でスピーチ サムスン創業者の孫娘がブーイングされた理由

 米アカデミー賞四冠達成。映画「パラサイト」の偉業達成に沸く韓国にあって、唯一、物議を醸している存在がいる。配給会社のCJグループ副会長イ・ミギョン氏(61)だ。2月10日のアカデミー賞授賞式で、エグゼクティブプロデューサーとして登壇。制作陣に続き、マイクを握った。

「支援してくださったすべての方に感謝します。特に韓国の観客の皆様に本当に感謝の言葉を伝えたい」

アジア映画初の作品賞に輝いた ©共同通信社

 このパフォーマンスに根強いブーイングが韓国国内で飛び交っている。

「制作者でもないのになぜスピーチしたのかという批判があります。幾多の作品を配給してきた米FOX社社長も壇上で一度も発言していないといいます。韓国国内では『韓国の映画界が金次第だということを世界に宣伝した』といった批判も出ています」(韓国スポーツ紙芸能担当記者)

 今回の偉業に彼女の資金力が効いたのは間違いない。彼女はいわば総責任者として作品に関わり、北米向けPR費用100億ウォン(約10億円)、そして制作費135億ウォン(約13億5000万円)の大半を投資したといわれている。

 そんな彼女のすさまじい資金力の背景にはサムスングループの存在がある。彼女は、同社の創業者、イ・ビョンチョルの孫にあたる。名門ソウル大、ハーバード大学院などを卒業した彼女は、95年にサムスン傘下だった「CJグループ」に入社した。現在は同グループ副会長職をつとめ、エンターテイメント事業を手掛けている。