「昨年、一昨年のようにズルズルいかなかったのは良かった点かなと思う」
2月16日、楽天との練習試合で今季2度目の登板を果たした阪神の藤浪晋太郎投手(25)。3回を投げ3安打2失点、四球2つという結果をそう振り返った。
9日の日ハム戦では球速157キロを記録し、2回を無安打無失点、四球2つとほぼ完璧な投球。復調の兆しを見せ、ダルビッシュ有もツイッターで「俺はわかる。この時期のそのスピードの凄さを」と称賛した。
楽天戦の後、山本昌・阪神臨時コーチとリリースポイントを修正し、「すごく感謝しています」と語った藤浪。キャンプ中、山本コーチに“心酔”し、その教えのお陰で良くなってきたという報道も目に付くが、ベテラン記者はこう評す。
「今の阪神には頼ることができる投手コーチがいない、というのが現実なのです。藤浪は『俺は俺のやり方で』というタイプですから」
一方、苦しむ藤浪を見てきた若手記者は同情的だ。
「去年は一軍登板が1試合で0勝ですから、藁にもすがる思いなのでは。山本さんは臨時コーチに就任した昨秋、『最初に話し掛けてきたのが藤浪君だった』と意気に感じ、別の仕事でキャンプ地を離れても戻ってきて、9往復してました」
藤浪の一番の問題は、右打者の内角に抜けたボールが死球になること。楽天は「選手を壊されてはたまらない」とばかりに打者13人、全て左を並べたほどだ。