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12カ月連続前年割れ……「高すぎる」大戸屋は客を取り戻せるか?

「大戸屋ランチ」は実質70円の値上げ

source : 提携メディア

genre : ビジネス, 企業, 経済

やよい軒より100円高い「大戸屋」がお客を取り戻す方法

定食チェーン「大戸屋ごはん処」が客離れに苦しみつづけている。既存店売上高は12カ月連続で前年割れとなった。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「今の大戸屋は価格が高すぎる。負のループから抜け出すためには、筆頭株主になったコロワイドとの協業を深めるしかない」と分析する――。

写真=大戸屋プレスリリースより 2019年10月に復活した「大戸屋ランチ」 - 写真=大戸屋プレスリリースより

「大戸屋ランチ」が実質790円になり、客が離れた

定食チェーン「大戸屋ごはん処」を運営する大戸屋ホールディングス(HD)の苦境が続いている。1月の既存店売上高は前年同月比4.3%減だった。前年割れは12カ月連続になる。既存店の不振は長らく続いているが、特に今期(2020年3月期)が深刻で、19年4月~20年1月累計で前年同期比5.5%減と大幅マイナスとなっている。

今期の不振の原因は、昨年2月に表面化したアルバイト従業員による不適切動画の拡散、いわゆる「バイトテロ」でのイメージ悪化や、昨秋の台風19号による閉店で集客に苦戦したことが挙げられる。だが、やはり根本的な「価格の高さ」による客離れが大きいだろう。

大戸屋ではこれまでにたびたびメニュー価格の引き上げを行ってきた。昨年4月のメニュー改定では定食の一部を値上げしたほか、720円(以下すべて税込み)と安価で人気のあった定番商品「大戸屋ランチ」を廃止した。半年後のグランドメニューリニューアル時に復活したが、価格は790円と以前と比べて70円高くなっている。

居酒屋ランチという強力なライバル

値上げの繰り返しにより、現在の定食の価格は800円台と900円台が主流となっている。1000円以上のものも少なくない。ライバルの「やよい軒」と比べると、定食の単価は100円程度高いだろう。たとえば、やよい軒の定番「サバの塩焼定食」は670円だ。こうした価格の高さが敬遠されて、大戸屋では客離れが加速した。

大戸屋を取り巻く環境は厳しさを増している。「やよい軒」「まいどおおきに食堂」「めしや宮本むなし」などの同業はもちろん、異業種との競争も激化している。例えばランチタイムに定食を提供する居酒屋があるが、大戸屋より安いところもあり、大きな脅威だ。