橋下徹「仕事がつまらないと愚痴る人に共通すること」
「つまらない仕事ばかりを振られる」と嘆く人がいる。元大阪府知事の橋下徹氏は「今の仕事は自分の商品価値を表している。自分に振られる仕事の質を高めたいなら、まずは圧倒的な量をこなすことが必要だ」と指摘する――。
※本稿は、橋下徹『異端のすすめ 強みを武器にする生き方』(SB新書)の一部を再編集したものです。
「スピード」を買われて政治家に
自分のウリに基づいた仕事は、圧倒的な量をこなせば、自然と質が上がっていきます。すなわち、ウリに磨きがかかってくる、ということです。質は量をこなすことによってこそレベルアップするものであり、質だけをレベルアップするのは非常に困難なのです。
僕も、大阪府知事選挙の誘いの件で、初めてお目にかかった故・堺屋太一さんから「橋下さんは、すごく仕事が速いんだってね」と言われて驚いたことがあります。
僕自身は自分の「スピード」というウリを必死に貫き、日々量をこなしていただけですが、そのウリは仕事相手や周囲に認められて、僕の知らないところで、堺屋さんの耳にまで聞こえていたんだとうれしくなりました。
堺屋さんは、僕の仕事の速さを第一に評価してくださり、大阪府知事選挙に誘ってくださったのです。当時は、茶髪にサングラスで、Gパン革ジャンの弁護士です。普通なら大阪府知事に相応しい人物と評されることはないでしょうが、堺屋さんは、僕の最大のウリのスピードを評価してくださいました。
そして、僕は大阪府知事選に出馬して当選し、政治家の道を歩み始めたのです。自分のウリが、大阪府知事につながったのです。
時間無制限の記者会見で、大量のメッセージを発信
圧倒的な量をこなす重要性は、その後もずっと感じています。
知事や市長だった頃には、他の政治家から「橋下さんは、よくメディアで取り上げられていいですね」などと言われましたが、それは「メッセージの発信量」において僕が圧倒的だったからでしょう。大阪府庁内で週に1度行われていた定例記者会見は、質問がなくなるまで時間無制限でやっていました。2時間や3時間にわたって記者の質問に答え続けることもよくありました。