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トライアスロン歴30年 アスリート所長が目指す「誰一人取り残さない」世界の実現

JR東日本環境アクセスのプロフェッショナルたち #12

2020/03/31

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JR東日本のグループ会社「JR東日本環境アクセス」では、さまざまなキャリアを持つ「清掃のプロ」たちが、駅や駅ビルを清潔に保つ仕事をしている。ダイバーシティを推進している同社では、知的障がいのある方も、個性を活かし、いきいきと活躍している。

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学生時代からずっとスポーツを続けているという、弘済学園事業所の丹野所長

 JR東日本環境アクセスの弘済学園事業所で所長を務める丹野さん。もともとは、知的障がい・自閉症児者を対象とした総合福祉センター「弘済学園」で体育を担当する職員だった。
8年前、異動で弘済学園事業所勤務になった丹野さん。最初は福祉的就労と一般就労の違いの大きさにとまどったという。

「就労継続支援事業所は福祉、弘済学園事業所は一般就労です」と違いを強調する丹野所長

 実は弘済学園の中にも「働く」場所はある。しかしそれは、就労継続支援事業所と呼ばれる福祉施設だ。同じ「働く環境」ではあるが、障がい者が労働力であると同時に「利用者」であるという点において、両者は大きく異なる。福祉施設では、労働はあくまでサービスや訓練の一環だ。従って、仕事量や労働時間は、利用者や家族の希望に沿って決められる。一方、一般就労では、成果を出すことが最重要課題だ。主体はあくまで企業側にあり、決められた時間や仕事量がこなせなかった場合には、減額や叱責などのペナルティもある。

 弘済学園事業所は、この「一般就労」にあたる。たとえば弘済学園の共有箇所、つまり、食堂、浴室、トイレ、洗面所、廊下、階段の清掃業務と、利用者150名分の洗濯を請け負っている。21名いる職員のうち、12名は知的障がい者で、うち11名は重度の知的障がいを持っている。

(写真提供/JR東日本環境アクセス)
「弘済学園の顔」である玄関を清掃するクルー(写真提供/JR東日本環境アクセス)

 ダイバーシティを推進しているJR東日本環境アクセスでは、性別、年齢、国籍はもちろん、障がい者にも健常者(一般従業員)と同じように採用の門戸を広げている。しかし、企業である以上「障がい者だからこのくらいでいいだろう」という甘えは許されない。持続可能な社会貢献を実現するには、継続的な成果を出し続けることが大前提なのだ。

「私が最初にこの事業所に来た当時、弘済学園事業所の品質評価は85点でした。当事業所では重度知的障がい者の方も雇用していますが、一般就労である以上、成果を出さなければ誰にも認めてもらえません。ですから、まずは品質評価で100点を取ろう、と一般従業員の方に呼びかけました」(丹野さん)

「ネコ」は床用モップの名称。何を洗濯しているかがひと目でわかるよう、絵柄を用いて作業を視覚化している