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河井克行前法相の現役政策秘書ら3人逮捕! 文春スクープ記者が明かす「彼らの素顔と役割」とは

 3月3日、河井克行前法相(56)の元公設秘書で、現在は妻の河井案里参院議員(46)の公設第2秘書を務めている立道浩容疑者(54)が公職選挙法違反(運動員買収)容疑で広島地検に逮捕された。昨秋、「週刊文春」がスクープしたことから捜査が始まったこの事件。ウグイス嬢への違法な支払いの「指示役」と目される立道容疑者に当時疑惑を質した記者が明かす、彼の果たした役割とは――。

案里参院議員 ©共同通信社

 3月3日、朝6時45分、広島市安佐南区にある2階建ての一軒家から姿を現した立道容疑者。スーツの上に黒いコートを羽織り、マスクをつけ、髪はすっきりとしたスポーツ刈り。彼はおもむろに歩き始めると、そこから広島地検まで、約12キロにおよぶ道のりを2時間かけて歩き続け、9時ごろに検察庁の中に入ると、そのまま逮捕された。

自宅を出たところを報道陣に囲まれる立道浩容疑者(3月3日午前、広島市) ©共同通信社

 昨年7月の参院選で、案里陣営はウグイス嬢13人に対し、法定額の2倍となる日当3万円の報酬を支払い、公選法違反(運動員買収)の疑いで、捜査が進められていた。1月15日には案里氏や夫の克行前法相の地元事務所や自宅のほか、秘書らの自宅にも家宅捜索が入り、17日からは秘書らが連日、事情聴取を受け、捜査が本格化していた。

 今回、立道容疑者の他に逮捕されたのは、克行氏の政策秘書である高谷真介容疑者と、案里氏の選対本部で事務局長を務めていた脇雄吾容疑者だ。

高谷真介容疑者 ©共同通信社
脇雄吾容疑者 ©共同通信社

「広島地検は『被疑者・立道浩』として捜査していました。だが、克行氏の現役政策秘書まで逮捕されたことで、立道容疑者のみならず、克行氏の事務所ぐるみの違法行為として捜査していることが明確になりました。高谷容疑者は、民主党議員の秘書から克行氏の秘書に転じましたが、克行氏からの信頼が厚く、カネも含め事務所内のことを全て把握していた。そもそも、立道容疑者も一昨年までは克行氏の公設秘書です。そのため、克行氏の事務所に代々伝わる“ルール”に従って、ウグイス嬢への違法な支払いが行われていたのではないかとみられています」(社会部記者)

河井克行前法相 ©文藝春秋

 日当3万円の支払いをスタッフに指示した“実行犯”とされる立道容疑者とは、いかなる人物なのか。元秘書が明かす。

「2012年の衆院選の頃から河井克行事務所の秘書となりました。前職は運送会社だったこともあり、当初は主に克行氏の運転手をしていた。克行氏はパワハラで有名で、特に運転手に厳しい。高速道路では140キロも出させますし、ウインカーを出すタイミングが少し遅いだけでも文句を言う。後部座席から運転席をガンガン蹴るのも日常茶飯事。そのため、いつも運転手は長く続かないのですが、立道氏は珍しく続いて、17年に克行氏の公設秘書になりました」

ウグイス嬢への“日当3万円”を示す内部文書

 立道容疑者は、2016、17年分の収支報告書では会計責任者も務めている。