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わざとぶつかって修理代請求 スマホ“当たり屋”の手口

 迷惑行為の筆頭格である“歩きスマホ”だが、近年はそれを犯罪に利用する輩が出現している。

 走行中の車にぶつかり、スマホが壊れたと装って新しいスマホ代や修理代を騙し取ったとして、大阪府警は2月28日、詐欺容疑などで住所不定無職、久保田有輝被告(26)ら男3人のグループを追送検した。

 全国紙社会部記者の解説。

「久保田らは2人組で犯行に及び、徐行中の車にわざと接触。1人が元々壊れていたスマホを地面に落とした後、もう1人と共に運転手を呼び止め、携帯ショップまで連れていく。そこで10万円前後の新品のスマホを買わせ、転売して利益を上げていた。10件以上の犯行を繰り返し、被害総額は100万円を超えるようです」

写真はイメージです ©iStock.com

 スマホの性能が高くなるにつれて高額化が進んだこともあり、同様の手口が全国で見られるように。

「千葉県では昨年6月、歩きスマホをしていた男性にわざとぶつかり、『画面が割れた』と言って修理代名目で6000円をだまし取った50代の男2人組が逮捕されている。他にも徳島県や埼玉県でも逮捕者が相次いでいます」(同前)

 時代に即した犯罪ともいえようが、当たり屋稼業そのものの歴史は古い。走行中の車にわざと当たりに行き、慰謝料や治療費を請求するのは、クルマ社会の到来以降、続いている手口だ。

 捜査関係者は「従来の当たり屋は大怪我を負う可能性があり、かなりの技術も要求された。だが、現在は交通事故となればすぐに警察や保険会社を呼ぶのが通例で、騙すのも難しい。その点、スマホであれば当事者だけで話を済ませやすい上、ケガをする確率も低く、ローリスクハイリターンなのだろう」と分析する。