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世田谷父殺し 21歳の“ひきこもり”娘は父親の「暴行」が許せなかった

 約55平米の2LDK、家賃11万円のアパートで長年暮らしていた父と娘の二人。修羅の家で、いったい何が起こったのか。

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 東京・世田谷の砧公園に臨む閑静な住宅街。断末魔の叫びが静寂を破ったのは、2月21日夕方5時過ぎのことだった。

 事件の目撃者が語る。

「突然、『ウォー!』という男の叫び声が聞こえたかと思ったら即座に救急車のサイレン音が近づいてきたのです。慌てて外に出ると、アパート前の駐車場におじさんがうつ伏せで倒れており、救急隊員が取り囲んでいました。近所の人が『鎌田さん! 鎌田さん!』と呼びかける中、蘇生処置が行われましたが、鎌田さんはぐったりしていて、呼びかけには全く応じなかった」

亡くなった鎌田憲一さん

 すでに“被疑者”は、その場を立ち去っていた。約15分後、所轄の警視庁成城署員が約1キロ離れた路上に佇む職業不詳・鎌田くるみ(21)を発見。任意同行の末、父・憲一さんを刺殺した殺人容疑で逮捕した。

「憲一さんは背中や胸を包丁で複数回刺されていた。逮捕後、くるみは『父から殴られたり、死ねと言われたり、嫌がらせを受けていた。父親がずっと嫌いだった』と供述。実は2月上旬、彼女は成城署に同様の被害を訴えている。その後、署員は彼らを個別に呼び出し、憲一さんには口頭で注意しました。ただ、逮捕時、彼女の身体には目立った傷跡が存在しなかったため、供述の裏付け作業を慎重に進めています」(社会部記者)

 彼女はどのような21年間を歩んできたのか。