3月5日、日本政府が韓国に対する入国制限措置を電撃発表すると、韓国政府が翌日対抗措置を発表するなど、日韓関係が再び凍り付いている。しかし、少なくとも両国の映画シーンには春風のムードが続いているようだ。
米国のアカデミー授賞式で4冠を達成したポン・ジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族」が日本で大ヒットしている中、日本映画「新聞記者」に出演した韓国人女優のシム・ウンギョンが日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞した。シム・ウンギョンの受賞は韓国でも「かなり異例な事件」として報道されている。
彼女の出演映画「新聞記者」は、2019年10月に韓国でも公開されたが、観客1万人という低調な成績で公開一週間で幕を閉じた。当時の「新聞記者」の興行成績の不振について、映画関係者は次のように分析している。
「当時盛んだったボイコット・ジャパンの影響で“生け贄”になったという意見もあるが、映画的な面白さにおいて韓国の映画ファンの期待に応えられなかった点は大きいだろう。韓国では社会派映画でもエンターテイメント的な要素が強くなければ成功できない。『新聞記者』はまさにその点で物足りない感じがした。しかも、映画の結末にむなしさを感じたという映画ファンの評価も多かった」