〈新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい〉
3月11日、ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は、自身のツイッターでこう発信した。
新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい。まずは100万人分。申込方法等、これから準備。#コロナ検査有志
— 孫正義 (@masason) March 11, 2020
このツイートに学者などから「医療崩壊につながる」と批判が殺到すると、「評判悪いから、止めようかなぁ」とあっさり撤回。そして、12日夜、介護施設と開業医へのマスクを100万枚寄付すると表明した。
やりましょう。
— 孫正義 (@masason) March 12, 2020
マスク100万枚寄付します。
介護施設と開業医へ。
調達の為の発注完了。 https://t.co/vqq0jBeAvm
孫氏の言動に、市場から厳しい視線が注がれている。
「孫さんの行動を止める人がまわりにいないんでしょう。日本電産の永守重信会長やユニクロの柳井正会長など御意見番だった社外取締役が去り、社内にも助言できる人がいなくなった」(大手証券幹部)
実は孫氏、3月2日にニューヨークで開かれた投資家向けの非公開の会合に参加していた。
「社外取締役や株主の声に耳をもっと傾けるようにすると語りつつ、過去の実績を示して『これほど結果を出してきた人はいるのか』とアピールした」(経済部記者)
その直後に飛び出した「検査」宣言。
「2011年の東日本大震災では被災地に100億円を寄付したり、再生可能エネルギー事業に取り組み、支持を集めました。しかし、今回は企業価値の向上にはつながらなかった」(同前)