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性暴力に対する司法判断はなぜ変わってきたのか?

 さらに福岡高裁も2月、酒に酔った女性への準強姦事件で逆転有罪を言い渡した。3月には知的障害がある養女を被害者とした監護者性交事件の一審無罪を破棄、地裁に差し戻している。

 性暴力に対する司法判断が変わりつつある現状を、法曹関係者はこう分析する。

「17年6月に性犯罪を厳罰化した改正刑法が成立したのに伴い、最高裁の司法研修所などは性犯罪被害の研修に熱心に取り組んできた。その結果、被害者は恐怖のため明確な拒絶ができないケースが少なくないという見方が裁判官の間に広がりつつある。にもかかわらず、『嫌なら拒否できるだろう』との旧態依然とした考えに当てはめた判決が続いたことで、裁判所は理解が進んでいないとの批判の声が上がっていました」

 今回の高裁判決は、批判を打ち消すメッセージの意味もあったのではという。

「裁判官はあらゆる権力から独立するとはいえ、世論は気にする。社会問題となった以上、高裁は慎重に検討したのでしょう」(同前)

「魂の殺人」とも呼ばれる性暴力。被害者を二度傷つけないためにも、法廷での正確な判断が求められる。

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