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あのクルーズ船の「特殊清掃」を任された業者が、次に抱えている仕事

「ダイヤモンド・プリンセス号での船内活動の具体的なことは、守秘義務があるので言えないことも多いですが、入船前には半日ほどかけて、手袋の着脱のしかたから何から何まで、防疫の教育がなされました。かなり、しっかりとした防疫体制が組まれているなという印象です。われわれは日常業務である特殊清掃を通じて、感染症に対する知見があります。しかし、もっとも必要とされているのは、ウイルスと対峙することへの心構えや覚悟、の部分かもしれません」

リスクベネフィット社では新型コロナウイルス感染者を出した商業施設の除染作業も、すでに2例実施した実績をもつ。今回のDP号の除染を通じ、さらに経験値を高めていく構えだ。

特殊清掃業者「新型コロナにかかったら、かかった時に考えよう」

同じく日本特殊清掃隊に加わっているレリック(愛知県東海市)の代表・神野敏幸氏もこう心境を明かした。

「CDC(米疾病予防管理センター)とWHO(世界保健機関)、厚生労働省の3者が決めた除染手順に則って、船内ではバイロックスと呼ばれる特殊な薬剤を使い、クリーナーで徹底的に洗浄します。恐怖がないといえば嘘になります。『仮に新型コロナウイルスにかかったら、かかった時に考えよう』というくらいの気構えで船に入っています」

DP号は今後も客船として運用が続けられるだけに、一刻も早い原状回復とクルーズ再開が求められている。それだけに、日本の特殊清掃業界にのしかかる期待や責任は大だ。

特殊清掃ビジネスに「新型コロナ特需」が生まれた

特殊清掃業者の活躍の舞台はDP号だけではない。各地の特殊清掃業者では、新型コロナウイルス関連の「特需」が生まれつつあるという。

福岡県久留米市に本社がある「友心まごころサービス」では、高齢者施設やパチンコ店などから、施設内の除菌に関する依頼が急増しているという。

友心まごころサービスは代表の岩橋ひろし氏が2011年に開業した、特殊清掃業界の草分け的存在である。同社のある福岡県では、新型コロナウイルスの感染者数が3月21日現在で5人。首都圏や関西圏に比べて感染数は少ないが、社会不安は広がっている。飲食やホテル、アミューズメント産業などへの経済的影響も出始めている。