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【新型コロナ】武漢の医師の“告発インタビュー”が突然消えた……中国の政府発表に気を付けろ

 中国政府は3月19日、新型コロナの「震源地」である湖北省武漢市の新たな感染者がゼロになったと発表した。世界で新型コロナ拡大が続く中、中国はいち早く危機を脱し、終息間近だとアピールした格好だ。

 だが衛生当局の集計によれば、中国全体の新規感染者は3月中旬から再び増加傾向にある。ただし、政府は「ほぼ海外からの入国者だ」と説明。ウイルスの蔓延を許した当事国であることなど棚に上げ、今や「逆輸入」の食い止めに懸命だ。

武漢では医療関係者の撤収も始まっている

 もっとも、14億の人口を抱え、14カ国と国境を接する中国の新規感染者が連日、「数人」という説明は、「本当だと誰が分かる?」とかみついたトランプ米大統領でなくとも、鵜呑みにはできない。

 3月20日、武漢のある団地で「昨晩、感染者が出た」と伝える画像がネット上に出回った。だが、この日の政府発表は武漢も含めて「国内感染者ゼロ」。慌てた区の共産党委員会は「検査は陽性だったが、無症状のため感染者に計上していない」と釈明に追われた。3月22日付の香港紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」(電子版)は、こうしたカウント外の無症状感染者が4万3000人に上ると指摘する。

 習近平国家主席は、地方政府に対して、コロナ感染抑制と経済立て直しの二正面作戦を強いている。感染が再び広がれば工場や企業の再開に影響が出るため、地方幹部は感染者を少なく見せたい意識が働く。その結果、発表と現実に大きな乖離が生じているのだ。

 昨年末の初動対応の遅れも情報隠蔽が大きな原因だった。当時の武漢の異常さは今なお多くの医師が証言を続けている。