昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

source : 提携メディア

genre : ニュース, 国際, 芸能

超人気AV女優「蒼井そら」が明らかにした反日中国人の意外な本音

靖国参拝について、その「感情を踏みにじられた」はずの徐さんは、流暢な日本語でこう話す。

「一国の首相が堂々と参拝したら、僕らはどうでもいいのですけれど、上(=政府)のおエライさんたちは、『何とも思わない』とは言えないのですよ」

「日本人と接触することができれば、考えが少し変わる」

思わず吹き出してしまった。「僕らはどうでもいいですけど」とは正直すぎる。辛さんも中国政府の歴史認識について、疑問を呈する。

「侵略の歴史は日本だけではなく中国にも責任があります。やられたのは遅れていたからです。遅れていた原因は当時、中国が鎖国をしていたからです」

彼らの考えは中国政府よりはるかに柔軟で、理性的である。

安倍総理の靖国神社参拝を受け、劉延東副首相はその日午後予定していた日中友好議員連盟訪中団との会談を急遽取りやめた。中国側の怒りを示す為である。

こうしたニュースは、国営メディアを通じてお茶の間に届く。それは中国政府が発するメッセージだ。国民はそれを敏感に汲み取り、反日を口にする。

そんな反日感情を抱く人たちについて、徐さんは次のように話す。

「多分、彼らは日本と接触した経験がなくて本当の日本人についてよく分かっていない。(国家)指導者たちの話だけを聞いて、間違ったイメージを持っていると思う。教育が原因で、日本人が友好的でないと考え、友人には不適切だと思っている。日本人と接触することができれば、考えが少し変わると思います」

反日の「建前」と庶民の「本音」が共存している

蒼井そらが本格的に中国で活動するようになったのは2010年。反日デモの嵐が吹き荒れる2012年までの2年間で、彼女は十分に中国での知名度を上げた。

一部の人にとっては、アニメや家電と同じように、生活に深く入り込んだ「身近な日本」の1つとなった。

「尖閣諸島は中国のモノ。蒼井そらは世界のモノ」

若者たちから、自然に沸き起こったこのフレーズは、反日を落とし所とする「建前」と、それとは別の庶民の「本音」が共存している、中国社会そのものを巧みに表しているのだ。

宮崎 紀秀(みやざき・のりひで)
1970(昭和45)年東京都生まれ。一橋大学社会学部を卒業後、日本テレビに入社。報道局社会部、外報部の記者を経て、2004年から2009年までNNN中国総局に勤務(2007年より中国総局長)。2010年に日本テレビを退社。2013年よりNNN中国総局特約記者。

この記事の写真(1枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー