和泉洋人首相補佐官と大坪寛子厚生労働省大臣官房審議官が、海外出張の際、自由に互いの部屋を行き来できる「コネクティングルーム」に宿泊していた問題は、これまで国会などで再三、追及されてきた。今回、和泉補佐官が外務省側に、大坪氏とのコネクティングルーム宿泊を最優先するよう再三要求していたことを示すメールを「週刊文春」は新たに入手した。
和泉氏と大坪氏は、2018年に計4回、ともに海外出張している。行先はミャンマー、インド、中国、フィリピンで、大坪氏の出張費用は4回合計で約185万円だったことについても、これまでその正当性が疑問視され続けてきた。
新たに「週刊文春」が入手したのは、上記4回の出張のうち、インド出張と中国出張の際の、宿泊先に関する事前調整のメールだ。
和泉補佐官の秘書官から、
外務省側は要請に応じて「ダブル(大坪次長) とツイン(和泉補佐官)を入れ替えたほうがよろしければ、その旨おっしゃって頂けましたら、調整致します」などと返しているのが見て取れる(以上はすべて中国出張に際して)。
またインド出張についても「インド大に確認しましたが、Executive Suite RoomにTaj Club Roomと繋げる部屋があるそうです」「グレードよりも内部接続を重視」「Luxury Roomには仰せのようなコネクティングルームはないそうです」などのメールのやり取りが残されていた。
メールからは、和泉氏側が大坪審議官とのコネクティングルーム宿泊にこだわり、外務省側はその調整に奔走していたことが浮かび上がる。不倫関係にある和泉補佐官と大坪審議官は、京都出張の際にも、腕を組んで観光する公私混同が国会で問題視されてきた。
また、大坪審議官は、当初、安倍晋三首相にレクを行うなど、新型コロナウイルス対策の先頭に立ってきたが、その対応が不十分との批判が出ていた。大坪氏は、これまで内閣官房健康・医療戦略室で、和泉氏の下で次長を兼務していたが、4月1日、次長の任を解かれている。
新型コロナウイルス対策を巡っては、各地で医療崩壊の危機や関係各省庁の業務増大が叫ばれている。詳細な公私混同要求メールが明るみに出たことで、日本の健康と医療を司る健康・医療戦略室のトップを兼務する和泉補佐官が、その任にふさわしい人物なのか、改めて、論議を呼びそうだ。

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