積水ハウスの地面師事件が新たな展開を迎えた。
詐欺グループに55億5000万円を騙し取られた同社の経営責任をめぐって、米国の助言会社2社が、4月23日の株主総会において阿部俊則会長と稲垣士郎副会長の取締役再任に反対するよう株主に推奨したことが明らかになった。
「週刊文春」は4/16号で、事件当時の不動産部長である黒田章氏による「阿部氏は不正な取引だと知っていた」との告発を掲載した。
阿部氏の取締役再任に反対するよう株主に推奨したのはグラスルイスと、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(以下ISS)。多くの企業の株を保有する機関投資家は、すべての企業の議案を詳細にチェックできない。そのため株主総会で議決権を行使する際、これらの議決権行使助言会社のアドバイスを参考にする。
グラスルイスとISSはいずれも米国を代表する助言会社であり、積水ハウスの株主総会では、株主全体の30%強を占める外国人が両社の助言に従う可能性が高い。