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《警視庁、神奈川県警…コロナ事件簿》変死体現場に向かう鑑識はマスクも防護服も不足して…

2020/04/20

genre : ニュース, 社会

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 新型コロナウイルスの感染拡大が、警察に大きな影響を及ぼしている。

 4月18日、警視庁渋谷署の留置場に勾留されていた計7人の集団感染が判明するなど、取り調べや留置で“濃厚接触”が避けられない捜査現場の混乱が続いている。一部の事件では“不要不急の逮捕”を避ける事態も発生しているという。

 さらに、警察官本人の感染も相次いでいる。埼玉県警に始まり、警視庁、大阪府警、神奈川県警などで次々に判明し、4月14日時点で50人以上となった。感染者が出た警察署では、各部門から人をかき集めて人数減の“穴埋め”をして乗り切っている状況だ。

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外出自粛となった新宿・歌舞伎町を巡回する警視庁の警察官(4月10日) ©時事通信社

110番通報が急増した理由とは?

「とにかく110番通報が急増している。それも外出自粛のストレスもあり夫婦間、親子間のいわゆるDV(ドメスティックバイオレンス)が多い。テレワークでお父さんが一日中家にいて、奥さんと言い争いになり暴力沙汰となったり、家の中で騒ぐ子供に手を出してしまう児童虐待のケースもある」

 そう打ち明けるのは、神奈川県警のある警察署の副署長だ。拡大するコロナ感染の影響でトラブルが各地で多発しているという。

「暴力沙汰でなくても、『家庭内で揉めているから警察官に仲裁に来てほしい』という通報もあって頭を抱えた。さらに、自粛要請の対象ではないスーパーに多くの人が車で押しかけて、駐車場でトラブルになることも。いずれの場合も要請があれば警察官が駆け付けるしかない。

 つい最近、(警察署)管内で『オレはコロナに感染しているかもしれないぞ!』と騒いでいる男がいるとの通報があり、警察官が駆け付けたこともあった。虚偽とすぐ分かったので、何とか騒ぎが拡大しないようにその場で納めたが……」(同前)