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「鬼滅の刃」「ペスト」だけじゃない……コロナ買いでランク急浮上“ヒット本”はこれだ!

2020/04/28

 新型コロナウイルス感染症を予防するステイホームにより、本が売れている。日販(日本出版販売)によれば、3月の本の店頭売上は前年同月比100.8%。2008年7月に同社が集計を始めて以来、初めての4ヶ月連続の前年超えとなった。

「鬼滅の刃」メガヒット コミックは前年同月比約120%

 ジャンル別には、コミックの同119.6%が突出しており、市場を牽引している。特に「鬼滅の刃」シリーズが昨年4月に始まったアニメ化の効果で、350万部から4,000万部を突破するまでに、わずか1年で約3,650万部も売るメガヒットになっており、その勢いが続いている。

 また、書籍は98.8%と前年をやや割れたが、詳細を見ると学習参考書123.8%、児童書114.9%、ビジネス書100.7%が前年を超えていた。特に小中学校、高校等の休校措置により、学参、児童書の好調ぶりが目立つ。

1年で約3,650万部を売るメガヒットになっている「鬼滅の刃」シリーズ(集英社)。コミック市場を牽引している

 4月も好調を維持していて、店頭、ネット通販ともに本は引き続きよく売れているが、「自粛により休業している書店も多く、トータルでの売上がどうなるか。当面、コロナの収束までは見通しにくい」(トーハン・広報)状況である。

 このように本は巣ごもり消費を引っ張っているアイテムの1つだが、書店の事情はまだら模様だ。

 商業施設に入っている書店チェーンの大型店は、3月には既にイベントの中止によって施設自体の集客が落ち、売上が厳しくなっていた。

 4月7日の1都6府県への緊急事態宣言によって、東京都、大阪府などの該当地域の商業施設が一斉に、食品スーパーなど一部を除いて、自粛の要請を受け入れて休業に入った。さらには、17日の緊急事態宣言の全国拡大で、全国の商業施設が同様に休業に入っている。そのため、中に入居する書店も休んでいるのが現状である。

図書館が自粛で閉まっているから、書店に?

紀伊國屋書店新宿本店は当面の間、自粛して休業中(4月28日現在)

 また商業施設に入っていなくても、紀伊國屋書店新宿本店は休業している。4月8日から営業時間を短縮、平日の開店を30分遅らせて10時30分とし、閉店を3時間早めて18時としていた。他方、土曜日と日曜日は休業となっていた。ところが、15日から当面の間、自粛して休業へと変更になっている。

 大都市の都心部にある書店は、同店に限らず従業員の感染リスク、リモートワークの増加による顧客減なども考慮して、休んでいるところが多くなっている。

時間を短縮して営業している街の書店も多い

 ただし、東京都、大阪府の自粛を要請する業種のリストに、書店は入っていない(古書店は除く)。近郊の駅前やロードサイドの書店では、夜間営業を短縮して、概ね7、8時頃まで営業しているケースが多い。

 店を開いている都市郊外や地方の書店からは、「図書館が自粛により閉まっているから、書店に人が流れている」といった声が聞かれた。

「鬼滅の刃」よりも売れたコミックは?

 そんななか、今どういう本が売れているのか。