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“遺伝子ダイエット”佐藤芹香に「ニセ医者疑惑」を直撃――「楽天PCR検査キット」開発会社トップの正体

2006年「週刊文春」の取材で発覚

source : 週刊文春 2006年11月9日号

genre : ニュース, 社会, 医療, 経済, 国際

 楽天が法人向けに販売し、話題となっている新型コロナウイルスのPCR検査キット。その開発・製造をする「ジェネシスヘルスケア」の佐藤バラン伊里・代表に、過去の経歴詐称疑惑が浮上した。かつて佐藤氏は「佐藤芹香」という名前で活動。2004年に提唱した「遺伝子型ダイエット」がブームとなった。しかし、自身が語る「米国の心臓外科医」、「21歳で米コーネル大学の医学部と政治学部を卒業した」との経歴に疑惑が浮上。これらを検証し、佐藤氏に対面取材した「週刊文春」(2006年11月9日号)の記事全文を公開する。なお、記事中の年齢、日付、肩書などは掲載時のまま。

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 いま女性に大人気の「遺伝子ダイエット」。このブームの立役者こそ、米国コーネル大学卒の美人心臓外科医という触れ込みの佐藤芹香女史である。ところが、テレビにも引っ張りだこの彼女にある疑惑が浮上している。実は経歴に重大な詐称があるというのだが――。

「遺伝子ダイエット」の立役者

 あなたは「リンゴ型」「洋ナシ型」「バナナ型」?

 いま主婦やOLの間で爆発的ブームの「遺伝子ダイエット」。同じダイエットをしてもやせ方に個人差があるのは、実は生まれつき持っている遺伝子のせいで、自分の遺伝子にあったダイエットをすれば確実に簡単にやせられるというものだ。

 そのブームの立役者が、「遺伝子型ダイエット」(日経BP社)の著者で、心臓外科医でもあるジェネシスヘルスケア代表取締役の佐藤芹香女史。本人が自ら記す経歴によれば、現在36歳という彼女は才色兼備のキャリアウーマン。

佐藤芹香女史(「エンビロン公認エステサロン エルクレスト」公式サイトより)

 91年米国コーネル大学政治学部および医学部を卒業。米国で肥満遺伝子のタイプに基づいた心臓病の治療・予防を研究。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学部修士(MBA)、同大学大学院博士後期課程(PhD)修了。2000年からUBSキャピタル(プライベートエクイティ)部門の在日責任者を経て、04年日本ウェイトマネージメント(現・ジェネシスヘルスケア)を設立。日本人特有の肥満遺伝子の研究結果に基づく健康増進・減量プログラムを、企業や個人に提供しているという。

「世界一受けたい授業」にも出演

 佐藤女史が提唱する「遺伝子ダイエット」について、もう少し詳しく説明しておこう。佐藤女史は、日本人の大半が持つという「β3AR」「UCP1」「β2AR」の3種類の肥満遺伝子から、「β3AR」の遺伝子に変異がある人をリンゴ型、「UCP1」を洋ナシ型、「β2AR」をバナナ型と定義する。リンゴ型は内臓脂肪をためやすく、洋ナシ型は皮下脂肪をためやすいタイプ。バナナ型は筋肉や脂肪もつきにくいやせ型だが、いったん太ると最もやせにくいタイプと分類。3つの遺伝子タイプから体質や性格を分析し、独自に研究したダイエット理論だという。

佐藤女史の著書「遺伝子型ダイエット」(日経BP社)

 彼女自身も「anan」「Hanako」「JJ」「クロワッサン」「MORE」「日経ヘルス」など女性誌にたびたび登場し、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)に出演した際は高視聴率をマーク。他に「はなまるマーケット」(TBS系)や「おはよう日本」(NHK)「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)にも取り上げられた。

 そんな佐藤女史を信奉する有名人は多い。菊川怜、乙葉、さとう珠緒、森口博子、山口紗弥加など、美容が気になる女性タレントからは絶大な人気があり、堺正章、石原良純などの男性から、斉藤こず恵、石塚英彦のようなおデブタレントまで幅広い層が佐藤女史に信頼を寄せる。