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増産されているはずなのに……「マスクの品切れ」が延々と続いている“3つの理由”

転売規制後も手に入らない

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genre : ニュース, 社会, 経済, 商品

なぜ「マスクの品切れ」が延々と続いているのか。いつ国民に行き渡るのか

国を挙げて増産しているはずなのに、買えないマスク

マスク不足が一向に解消されない異常事態が続いています。異業種であるシャープ、トヨタ、日清紡HD、ヘリオスTH、DMMなどが次々とマスクの生産に参入し、全国マスク工業会によると店舗への入荷も増えているといいます。

写真=iStock.com/Sergio Yoneda ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Sergio Yoneda

しかし、依然としてマスク不足は解消されません。増産されているはずのマスクは一体、どこに消えてしまっているのでしょうか? 多くの人が持つこの疑問を考えていきます。

少し前まで、マスク不足の原因となっていたのは転売屋の存在でした。

筆者の知人にせどり(転売)を個人ビジネスにしている人物がおり、聞いた話では転売規制が入る前にフリマアプリで転売をしたところ、マスク単体で月商2000万円にもなったといっていました。通常価格でマスクを仕入れて、フリマアプリで高値販売する行為は健全な市場流通性に悪影響を与えるとして、厳しく規制されました。しかしながら、小売事業者の高額販売は規制対象から外れており、依然として高値で取引されています。楽天市場や、アマゾンなどの通販サイトでは、一枚数十円のマスクが、100円以上の価格で売られており、依然として消費者にとっては「普通の価格で気軽に買う」ことが難しい状況が続いています。

マスクがなかなか買えない現象を説明する家庭内在庫

それにしても、なぜマスクはいつまで待っても「レアアイテム」であり続けるのでしょうか。その理由は国内のマスク生産量の少なさと、家庭内在庫という概念、買い占め行為の3つで説明することができます。

そもそも、国内のマスクは多くを海外からの輸入に依存している状況でした。日本衛生材料工業連合会によると、2018年のマスクの海外輸入数量は約80%です。今は世界的にマスクの品薄状態が続いていますから、国外で生産されたマスクが積極的に日本に入ってくる状況ではないのは明らかではないでしょうか。

また、マスクは「必要なときに必要なだけ」買う生鮮食品などと異なり、家庭内在庫という概念があります。マスクは置き場所に困るサイズではなく、また時間が経過することで直ちに品質を損なうものでもありません。そのため、特に今のような有事の際にはストックとして買いためておく人が多くなり、一家庭あたりのマスク保有枚数が高まり、その分多くの人の手に行き渡らなくなるのです。