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なぜ「マスクの品切れ」が延々と続いているのか。いつ国民に行き渡るのか

マスク不足が解消するための2つのシナリオ

安倍晋三首相はマスクを2枚配布する「アベノマスク」の施策を打ち出しましたが、これに要する税金は466億円とされています。日本の人口が1億2000万人ですので、国民一人あたりで割ると約390円です。1枚あたり190円の税金をかけてマスクを配布したわけです。もちろん、それだけでは十分な供給量とはいえず、抜本的なマスク不足解消に向けて官民一体となった取り組みが期待されます。

「マスク」は、必要なタイミングと必要な人は限られる特殊な物です。花粉症や風邪がはやる時期にはマスクを必要とする人が増え、医療従事者は日常的にマスクをする必要性がある一方で、年間を通じてまったくマスクをする習慣がない人もいるのです。

新型コロナウイルスに端を発するパンデミックにより、従来はマスクを必要としていなかった人たちにも突然、強烈な需要を生み出すこととなりました。これにより想定外の莫大なマスク需要を生み出すこととなり、その結果として入手が大変困難となりました。

マスク不足が解消されるシナリオは2つあります。一つは幸いにこのパンデミックの脅威が終息することでマスクの莫大な需要が収まるシナリオ、それからもう一つはマスクが十分充足するシナリオです。

アベノマスクの次なる一手が必要

前者にはアビガンをはじめ、世界各国の医療の専門家や研究者がしのぎを削ってその対応にあたっています。ワクチンができる可能性を示唆する研究者も出てきており、問題の根本解決が期待されるところです。また、世界的大流行が起こってからまだ日が浅いので未知数ではありますが、気づかぬうちに抗体を獲得している事例も報告されています。さらなる研究が進むことで「抗体を持つ人には緊急のマスクが必要ない」ということになれば、時の経過とともに抗体獲得者が増えることで、マスクの強烈な需要は収まる可能性があります。

また、マスクが充足するシナリオについても、全世界規模でマスク増産を急いでいる状況から行き渡るために必要な要素は「時間」ということになります。マスクは天然資源などとは異なり、人工的に生産できますから、数の問題は時間の問題として解決が期待されます。

いずれにせよ、官民一体の対策を取ることが、スピーディーなマスク不足解消にもっとも有効な策であることは間違いありません。アベノマスクの次なる政府の一手に望みが託されているのです。

黒坂 岳央(くろさか・たけを)
フルーツビジネスジャーナリスト
果物専門店「水菓子 肥後庵」代表者

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