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コロナ禍で進行しつつある「介護崩壊」の恐るべき現状

「そこで厚労省が考えたのが、デイサービスの人材活用です。介護保険法では、デイサービスの職員は当該施設内でのケアしか許されていません。ただ、ケアの有資格者であり、スキルも兼ね備えています。加えて今は施設の利用者が減っている関係で、開店休業の状態。だったら規則を変えて、利用者宅を訪問してケアすることを認めたのです。厚労省はそう決断したわけです」

厚労省の「異例の早い対処」は介護事業者と要介護者を救えるか

デイサービスの職員が、訪問して行うケアで得られる介護報酬は、デイサービスの約3分の1程度に抑えられているとのこと。しかし、何もしないで報酬ゼロよりもいい。新型コロナ禍が収束すれば、デイサービス利用者は通常通りに戻る。それまでは訪問サービスでしのいで、なんとか事業を継続してほしいというわけです。

「われわれ介護業界の人間が驚いたのは、このような合理的な方策を厚労省側が先んじて打ち出してきたことです。これまでの厚労省だったら経営危機に陥る事業者が続出して業界から悲鳴が上がってから、やっと重い腰を上げるという感じだったと思う。役所が長年の体質も変えざるを得なくなるほど、今回の新型コロナの脅威は尋常ならざるものなのかもしれません」

今回、確かに機敏な対処をした厚労省ですが、この施策が、新型コロナ禍にあって今要介護者や介護事業を救い続けることができるか。今後も注視しなければなりません。

相沢 光一(あいざわ・こういち)
フリーライター
1956年生まれ。月刊誌を主に取材・執筆を行ってきた。得意とするジャンルはスポーツ全般、人物インタビュー、ビジネス。著書にアメリカンフットボールのマネジメントをテーマとした『勝利者』などがある。

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