昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会, 経済, 商品, 医療

未だ届かぬアベノマスク…東京・新大久保では怒濤の叩き売りが始まっていた

コスメショップ「マスクの利益はほぼないです」

とある韓国コスメショップ店では天井近くまでマスクを積み上げ、人目をひいている。しかし責任者である日本人男性も「利益はほぼない」と話す。

「みんなマスクがなくて困っているじゃない? 仕入先から『1箱4500円にして店頭で売っていいよ』って言われたんだけど、3500円にしている。利益は1個あたり100円か200円くらいで、ほぼないよ。気持ちとしてはもっと安くしたいくらい。でも安すぎると転売されるかもしれないから。今はネットで3200円くらいみたいだし、相場を調べて値段決めているよ」

コスメショップの男性は、マスクを手に取りながら入荷までの苦労を語ってくれた。

「中国製なんだけど、検査証もついてるからね。本当は日本製を入荷したかったけど、選べる立場じゃなかった。2月から探してはいたんだけど、全然手に入らなくてね。何十年も付き合っている問屋にお願いしたら、最低注文700万円からって言われちゃってさ。さすがにキツイから頭下げて交渉して、もうちょっと注文数を減らしてもらって、やっと入荷したんだ」

医療関係者も買いにきている

コスメショップの男性によれば、「商売よりも世のため人のため」にマスクを販売している。とはいえ、店はギリギリの経営状況のようだ。

「今月の売り上げは前年から9割落ちたよ。ある程度は覚悟できていたけどこの状態が、6月以降も続いたら、店を続けられる自信ない。一度休業しようと思ったけども、お客さんが顔を出してくれたのに、店が閉まっていたら、もう来てくれなくなるでしょ。コロナが収束したら『新大久保でマスク買ったから』ってまた遊びに来てほしいね」

実際に、他県の人や医療関係者がマスクを求めて店に訪れているという。マスクが手に入らない人にとっては、新大久保は貴重な入手場所になっている。

ただ、新大久保というエリアは複雑だ。とある店舗で店長に取材を断られた時に、同店でアルバイトをしている韓国人男性がポロッと口にした言葉が、印象に残っている。