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「テドロスを更迭しろ!」 中国の“WHO侵略”に、トランプが本気でキレている

安倍は中国か米国、どっちにつく?

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genre : ニュース, 国際, 医療, 社会

「テドロスで本当にいいのか」…中国のWHO侵略に、トランプがついにブチきれた

トランプがテドロスに本気でキレている

米ドナルド・トランプ大統領が4月14日WHOへの拠出金停止を明言し、中国寄りの発言を繰り返すWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長との確執が強まっている。共和党議員団は拠出金再開を巡ってトランプ大統領にテドロス事務局長辞任を提言し、米国のインターネット上の署名サイトでは辞任を要求する100万人以上の署名が集まっている状況だ。

写真=Avalon/時事通信フォト 中国の習近平国家主席は2020年1月28日、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長と北京で会談 - 写真=Avalon/時事通信フォト

トランプ大統領は新型コロナウイルスを中国ウイルスと呼んでおり、WHOを「中国寄り」として激しく批判している。実際、テドロス事務局長は隠蔽工作を行っている疑いが強い中国の対応を「透明性がある」と一貫して擁護し続けている。これに加えて、WHOの台湾に対する政治姿勢、中国への配慮と見られる二転三転した対応策の公表、同事務局長の出身国エチオピアが中国から多額の援助を受けている事実などもあり、米国では同氏のWHO事務局長としての適格性を問題視する声が強まっている。

筆者は中国政府やWHOの対応が透明性に欠けることには同意するものの、感染症の専門家ではないのでWHOの一連の対処策が正しかったかについての言及は控えたいと思う。

そこで、今回の論稿では、トランプ大統領とテドロス事務局長の対立を米中の国連における覇権争いの一環と見なしてその背景を説明していきたい。

陰に陽に中国の国連における影響力は強める中国

現在、中国は国連の15の専門組織のうち4つの長を手中に収めている。UNIDO(国際連合工業開発機関)、ITU(国際電気通信連合)、ICAO(国際民間航空機関)、FAO(国際連合食糧農業機関)には中国人のトップが存在している。その他の組織も主要なポストに中国人が就任することも多く、陰に陽に中国の国連における影響力は強まる一方だ。そして、この中国による国連での影響力拡大に気が付かないほど米国人は馬鹿ではない。

実際、米保守系新聞ワシントン・タイムズは、2019年8月26日に「U.S. needs to respond to rising Chinese influence in the United Nations」という記事を掲載している。この時期は米中が貿易交渉で激しく罵(ののし)り合いを展開していた時期であるが、記事内容は中国が国連の重要ポストを奪っていることへの警戒を促す内容となっている。同内容は一部の専門家の間では過去から問題視されてきていたが、同紙に取り上げられることはトランプ政権にとっての世論工作として違った意味を持つ。ワシントン・タイムズは米国共和党関係者には愛読されており、トランプ大統領の執務室にも置いてあることで有名だ。