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小泉純一郎首相時代の“敵討ち”

 2度目は小泉純一郎内閣での首相補佐官時代。初めての戦闘状態が続く国への自衛隊派遣と復興支援を巡り、岡本氏は活躍した。その過程では、外務省の後輩として可愛がっていた奥克彦氏が殺害され、慟哭した。

「悲しみは怒りにかわり、敵討ちをしてやる気持ちになった。テロリストたちが望むイラクの混乱は絶対に起こさせない、これが敵討ちの意味だ」と当時、誓っていた。

 日本外交の弱点も知悉する岡本氏は、古巣との衝突も辞さない硬骨漢だった。反面、湘南ボーイらしい洒脱さや新しもの好きの側面もあった。ITの本拠である米シリコンバレーの起業家たちに着目し、東京・渋谷を日本のIT産業の集積地にしようとする「ビットバレー」のムーブメントにもかかわった。ウイスキーが好きで、世代を超え、大勢で集まる賑やかな催しを好んだ。スキューバダイビングが趣味で、老ダイバーを主人公にした小説もネットで連載中だった。近年は国力の衰えてきた日本の行く末や、日米関係の今後に思いを巡らせることも多かった。新型コロナによる74歳の死は、早すぎる。

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