昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載今夜も劇場へ

苦悩と煩悶、疑惑と確証、希望と絶望……野村萬斎が挑む『ハムレット』は人生そのものだ

ホリプロ・世田谷パブリックシアター『ハムレット』――今夜も劇場へ(最終回)

2020/05/14

 四月七日の緊急事態宣言で全ての劇場が閉鎖となり、やって来るのは公演中止のお知らせのみ。そんな中で、芝居を観るには、DVDやユーチューブに当たるしかなくなってしまった。

 二〇〇三年に録画された野村萬斎主演の『ハムレット』を観た。箱と扉を重ねた舞台であり、豪華絢爛。ハムレットはとても若くて情熱的だ。ガートルード(篠井英介)は威厳があって、愛情豊か。クローディアス(吉田鋼太郎)やポローニアス(壤晴彦)は歯切れが良い。亡霊・役者・墓掘り(津嘉山正種)に存在感がある。劇中劇が七五調になっていて面白い。苦悩と煩悶、疑惑と確証、希望と絶望に満ちており、この『ハムレット』はまさに人生そのものだ。

 劇場閉鎖は今後相当長く続くだろう。だが、人間が生きている限り、演劇が死に絶えることはない。いつか再び「今夜も劇場へ」という日々が復活するだろう。

ツイッター、@GashuYuukiもご覧ください。

INFORMATION

ホリプロ・世田谷パブリックシアター『ハムレット』
シェイクスピア作、ジョナサン・ケント演出
DVD、2003年録画
https://www.ponycanyon.co.jp/visual/PCBE000050816

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー