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圧倒的な立場の差があるから、強くは断れなかった

 A子さんは当時を振り返って怒りをにじませた。

「編集者とライターという圧倒的な立場の差がありますから、強くは断れませんでした。それまでにも下ネタのやりとりはありましたが、その程度ならよかった。でも自宅へ押しかけたり、体を無理やり触るのは一線を越えています。当時は松浦さんの自伝本を仕上げるために関係を悪くするわけにはいかなかったので“ネタ”にしてやりすごしましたが、やっぱりおかしいですよね。ギャラの件もセクハラの件も、私がいつでも切り捨てられるフリーのライターだと思っていたからできたことなんでしょう」

A子《無駄足でしたか…?笑 でも私は楽しかったです!わざわざありがとうございました》(2016年12月16日午後10時52分)

箕輪氏がA子さんの自宅から帰宅した後のメッセージ。「幸せでした。またいきます」

箕輪《いや幸せでした。またいきます笑》

箕輪《でもキスしたい》

A子《〆切ました ボディを使うコミュニケーションは、〆切ました。。。》

箕輪《ふれあいたい》

箕輪氏とのメッセージ。「今日握手しかできなかったのは」
箕輪氏とのメッセージ。「キスしたい」「ふれあいたい」

 

 箕輪氏に電話で直撃取材をしたところ、こう回答した。

——文春オンラインです。A子さんが2016年末から2017年頃に執筆した松浦氏の自伝本についてお伺いしたい

「その件、すみません。僕話したいんですけれど、会社が弁護士立ててやってて、そういう取材がきても答えるなってだいぶ前から言われてて、すみません」

 そう取材班に伝えると箕輪氏は通話を切り、そのあとは電話に出ることはなかった。

 幻冬舎にも自伝本出版取りやめの経緯や箕輪氏のセクハラについて事実関係を書面で確認したところ、こう回答した。

《地下会議室において別件で打ち合わせをしたことは事実ですが、箕輪氏からA子氏(書面では本名)に対し、松浦勝人氏の自伝本の執筆を依頼した事実は一切ございません。A子氏が取材を進めていくことは把握しておりましたが、出版するかどうかの最終的な判断は、見城氏が行うことになっており、そのことについては、松浦氏及びA子氏双方とも承知しておりました。そもそも原稿料及び経費をお支払する理由がございません》

 見城氏の「あんなのはメモだ!」発言についても否定。

《見城氏が松浦氏と箕輪氏に対し、「これは作品ではなくメモだね。」と伝えたことはありますが、A子氏に対し、「あんなのはメモだ!」と言った事実は一切ございません》

 そして箕輪氏のセクハラについても《約3年半前の会話ですが、一方的なものではありません》と回答した。

 松浦氏の自伝本が日の目を見ることはなく、A子さんの心には大きな傷跡だけが残った。

 社会的に大きな影響力を持つ、東証一部上場企業の会長であるにもかかわらず、税金逃れのための偽装離婚を堂々と自伝本の中に盛り込もうとした松浦氏の感覚は、世間の常識とは大きく乖離していると言わざるを得ない。CEOを退任するとはいえ、6月に開催される株主総会での説明責任を免れたとは言えないだろう。さらに、その“問題書籍”の編集者が、自分の立場の優位性を利用してライターに不倫関係を求めるなど言語道断である。

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