「そこまで僕は脇は甘くはないので」
――自宅とハワイの別荘両方で、金庫に大麻などの薬物を保管していた、という話もある。
「あの、見に来ていただければわかるし、警察が来るでしょう、そうしたら。僕についてそういう噂ありますけど、(事実では)ないんですよ。上場企業の社長やっててそんなこと、もうやってられないです」
――株主に大きな不利益を与える問題です。
「当たり前じゃないですか、沢尻然り、浦田然り、色々なことが起きているなかでそこまで僕は脇は甘くはないので、そういったことはありません」
最後に改めて事実確認の文書をエイベックスへも送付する旨を伝えると、松浦氏はこう付け加えた。
「あの、彼女の方が危ないと僕は思ってますけど、色々な意味で。だって彼女は本(松浦氏の自伝本)を書いて、書いたその本がボツにされたわけですよ、●●(出版社の名前)に。それに対しての恨みつらみが結局お金を取れるのが僕しかいないから、僕にきているだけですね。僕はそう感じてますよ。彼女は今お金に貧窮してますから。逼迫してますから。それで、どうにかお金を取れるとこっていう……。まあヤクザと同じですよね、考え方が。そういう理解でいますけど」
――ウルトラ当時など、(2人が)仲が良かったという認識に誤りはない?
「社員でしたからね、すごく可愛がってましたし。えっと、まあこれはちょっと彼女のプライドやメンツもあるんで僕からは言えないんですが、非常にこちら寄りにきていた、色々と話をしてくる社員の一人でしたね、はい」
松浦氏は15分以上にわたり取材班の質問に答え、A子さんの証言と自身の薬物使用について否定した。
改めてエイベックスにも文書で事実確認をしたところ、エイベックス株式会社の代理人弁護士から回答があった。
「A子氏(本文中では本名)とは現在双方代理人弁護士に依頼して係争中であり、今後の係争に影響を与えうることから個別具体的な回答は差し控えさせていただきます。
ただ、大麻等に関する部分について弊社はそのような事実を把握しておりません。弊社松浦からも御社の取材に対してそのような事実がない旨を回答している旨承知しております」
小説「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎)にはこんなシーンがあった。アルコールに溺れる松浦氏を案じ、浜崎あゆみは“ある映画”のDVDを借りるのだ。
〈その映画は、「リービング・ラスベガス」と「バスケットボール・ダイアリーズ」。この作品は二本とも、アルコール依存症やドラッグ依存症の主人公が身を滅ぼしていくストーリーで、以前、メイと一緒に観たときに、恐ろしさに身をすくめた。
ニコラス・ケイジとレオナルド・ディカプリオがアルコール依存症と麻薬中毒になった映画を観て、マサがお酒をやめてくれますように。〉(同作より)
若年層にたくさんのファンを持つエイベックスのアーティストたちの頂点に立つカリスマであり、社会的に大きな影響力を持つ東証一部上場企業の会長である松浦氏が、違法薬物を日常的に使用していた。事実であるならば、決して許されることではない。

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