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ほとんど園に現れない新しい社長

 しかし2016年に夫婦が体調不良などの理由から現場を離れることになり、現社長C氏(50代・男性)が経営を引き継いだ。C氏は「X」の経営以外にも、足立区内でマンションのモデルルームの新設や解体工事を行う会社や、飲食店を経営している。R子さんによると、C氏が園に姿を見せることはほとんどなく、園の様子は防犯カメラで事務所からチェックしているという。

「たまに園の防犯カメラが動いていると『あ、今見ているんだな』と分かりますが、子供たちと関わることは殆どない。ゴルフ好きで、テレビ番組にアマチュアゴルファーとして出演しているのを見かけたことがあります」(同前)

扇風機(写真左上)の隣にある防犯カメラでC氏は園の様子を見ているという ©文藝春秋

「X」の経営者がC氏に代わったことで、C氏の知人でもあったAが入社し、園長になった。

「Aさんは元々保育士資格を持っていたのですが、前職はアパレル関係だったそうで、保育士として働くのは『X』が初めてです。事務仕事が得意で、提出書類や園の飾り付けなどは完璧にこなすタイプ。小柄でぽっちゃりとしていて、保護者への対応はすごく物腰が柔らかい。そのため最初のうちは保育士の間でも『いい園長で良かったね』と好評だったようです」(同前)

「対応が良いため、虐待が行われていると気づく保護者はいません」(R子さん) ©文藝春秋

 しかし、A園長の専門学校時代の友人であるBが社員として働き始めた頃から、二人による虐待行為が始まったという。

おむつかぶれを半日放置

「私が働き始めた昨年11月頃には、すでに子供たちへの激しい叱責や、腕を無理に引っ張る、小突くなどの行為は当たり前に行われていました。それだけではなく、当たり前の養護もしていないことさえありました。よく覚えているのは8月16日のことです」(同前)

 その日、R子さんはA園長と入れ替わりで15時から勤務する予定になっていた。勤務時間の少し前に「X」に着き、子供を抱き上げたときに異変に気が付いたという。

「ハルナちゃん(仮名・1歳前後)を抱き上げると、おしっこがおむつから漏れてびしょびしょになっていたんです。おむつを脱がせたら、おむつかぶれでおしりの皮がベロベロにめくれ、真っ赤になっていました。あまりに酷いのでAさんに確認したら、『そういえばお母さんからおむつかぶれの薬を1日2回つけてるって聞いた。でも園では塗らなくていいって』と事も無げに言うんです。朝からおむつを一度も替えていないとも言っていました。おむつかぶれの様子を確かめることもなく、こんなになるまで放置するなんて。信じられませんでした」