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結婚に反対しないと場がしらけてしまう

三浦 収入が低い人と結婚するのはそもそも悪いことなのでしょうか。しかも、小室家は普通のミドルクラスです。また、小室家のように早くに夫を亡くした母子家庭であれば、外からは分かり得ない相当な苦労があったはずです。専業主婦だったお母さまが、正社員として就職することは困難でしょう。

 もしも、男性が早くに妻を亡くして男手1つで子供を育てあげたら、たとえ籍を入れてない女性がいて、子育てや親の介護を手伝わせていたとしても、むしろ美談です。逆をやると、女は悪者にされますね。

山下 私は、小室家報道は明らかにプライバシーの侵害だと思っています。

秋篠宮とは「連絡を取っていない」という小室さん ©文藝春秋

三浦 ええ。この問題では、日本社会に潜んでいる「差別感情」や「女性憎悪」が、まるで正当なものとして表に出てきてしまっているんです。識者のコメントを見ても、それぞれの方の人となりが表れています。

山下 メディアもそれを望んでいるんでしょうね。たとえば批判的な論調で盛り上がっている場で、私が先ほどのように「ご本人が結婚したいのなら、されればいいんじゃないですか」と発言すると、一気に場がしらけてしまいます(苦笑)。

結婚について、日本がいかに古い価値観に縛られているか

三浦 小室家への反感には、アイドル的な存在を引きずり降ろそうとする感情も垣間見えます。1989年に秋篠宮さまと紀子さま(53)のご婚約が内定したときにも、紀子さまが玉の輿を狙って近づいたんだという声があったそうですね。

山下 私は当時、宮内庁の官房総務課で報道を担当していましたが、一般の方から「あの人(紀子さま)はダメだ」という苦情電話を受けたことがあります。「学習院での評判、ご存知なんですか?」とガナリ立てる人もいましたね。私は「ご結婚は皇室会議で厳正に決めたことですから、問題ありません」と対応した覚えがあります。

ご婚約内定から30年の秋篠宮と紀子さま ©共同通信イメージズ

三浦 それほど激しかったんですか。加えて、今回の件に関しては男女で異なる基準が用いられていることが気になります。紀子さまは綺麗な方です。同様に、小室さんもイケメンと報じられた。英語もできて、眞子さまを気遣う人だと言われています。

 女性は収入など度外視して、外見や気遣いばかりで評価するのに、なぜ男性の場合は収入が問題となるのでしょう。ヨーロッパの王族が気働きのきく美しいキャビンアテンダントの女性と結婚しても、玉の輿と言われるだけで、これに違和感を抱く人はあまりいません。眞子さまと小室さんの性別が逆だったらと考えると、結婚について、日本がいかに古い価値観に縛られているかが分かります。