〈あらすじ〉
白人の養父母とバージニア州に暮らす17歳のルース・エドガー(ケルヴィン・ハリソン・Jr.)は、文武両道に秀でた模範生だ。アフリカの紛争国に生まれた黒人というハンデを克服した彼は、自由の国アメリカを象徴する存在として、周囲の期待を一身に背負っている。彼の順風満帆な日常は、同じアフリカ系の女性教師ウィルソン(オクタヴィア・スペンサー)に提出した課題のレポートをきっかけに揺らぎ出す。ウィルソンはルースが危険な過激思想に心酔し、ロッカーに違法な花火を隠し持っていたと、養母のエイミー(ナオミ・ワッツ)に報告する。エイミーと夫のピーター(ティム・ロス)は、愛する息子を信じて守り抜こうとするが……。
〈解説〉
人間の本質や、アメリカの理想と現実に迫る、ヒューマン・サスペンス。『クローバーフィールド・パラドックス』のジュリアス・オナー監督作。110分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆やや演劇的な作為が気になるが、二転三転、リベラルの弱みをつく意外な展開に。追及者を黒人女性教師にしたのが正解。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆元が舞台劇だけに神経をざわつかせる台詞が多いが、挑発的な問題児の造型と不穏なサスペンスに磁力。若い主役に注目。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆様々な背景を織り交ぜての知の暴力。ルースが冷血ならば不気味な恐怖が増したのに。これじゃ若者が憧れる反逆者?
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森直人(映画評論家)
★★★★☆「優等生キャラ」に擬態して社会適応する黒人少年。孤独の闇の奥を内観しながら、米国的物語への批評も立ち上がる。
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洞口依子(女優)
★★★★☆人種、富、差別、などスリラー要素といい、観終わっても謎残る仕掛け。スペンサーとハリソンJr.の演技は相乗効果大。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
「ルース・エドガー」(米)
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、近日公開予定。今後の予定は公式サイトでご確認ください。
http://luce-edgar.com/
