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2020/06/01

検査の結果を見て驚いた

 自宅でできる簡易装置での検査の費用は3000円弱だという(3割負担の場合)。半信半疑ながら、当日、検査を受けることにした。

 翌々日、結果を見て驚いた。約8時間の睡眠中、225回も無呼吸低呼吸状態があった。一時間当たりにすると約30回。無呼吸低呼吸時間の平均は23秒。ほぼ一時間半近く呼吸が止まっている計算だ。

 呼吸が止まると、血中酸素飽和度が低くなる。私の最低値は84%。岩根医師によると、「この数値では、チアノーゼが現れやすく、虚血性心疾患のリスクが高まります」。

 SASの仕組みとはこのようなものだ。

(1)睡眠時に体を横たえ、体が弛緩することで舌や軟口蓋が気道を狭くする。
(2)いびきをかく。
(3)気道がさらに狭くなり、ついに閉塞する。
(4)無呼吸低呼吸となる。
(5)体内の酸素が急激に低下。
(6)睡眠が浅くなり、呼吸が再開する。
(7)酸素が十分に入る。

 そして、しばらくして(3)に戻って気道が狭くなり閉塞状態となり、その後は、一晩中(3)から(7)を繰り返す。

 SASの定義は、1時間当たり10秒以上呼吸が止まることが5回以上あることだ。1時間当たりに30回以上で重症とみなされる。

 言うなれば、私は寝ている間に、何度も首を絞められ、呼吸が止まって死にそうになるたびに、その手を緩められることを繰り返していたようなものだ。毎晩、寝ながら殺されかけていたことを知って愕然とした。

 

肥満の男性だけの病気という考えは誤解

 岩根医師は説明する。

「SASは、研究が始まって20年ほどしかたっていない新しい症例です。もともと研究自体が耳鼻咽喉科や精神科などに分かれて始まったこともあり、正確な診断を難しくしています」

 また、老若男女問わず罹りうる病気だという。

「お相撲さんのような太った男性がなるのは、全周性狭窄(きょうさく)型と呼ばれます。医師の側にも、このイメージが非常に強いため、それ以外のケースを見落とす危険性があるのです。横田さんのように顎が細く、引き気味な方は、舌根沈下(ぜつこんちんか)型と呼ばれ、舌の付け根が上気道に落ち込むタイプ。また、子どもさんには、舌根沈下型と扁桃腺(へんとうせん)型の症例が現れることがあります」(同前)

 一般的に、30代以降に男性の患者が増え始め、男女比率は2対1で男性が多い。ただ、閉経後の女性となると、男性と同じ比率まで増えるという。

 有名人でこの病気に罹っていることを公表しているのは、西村知美(48)やサバンナの高橋茂雄(43)、おぎやはぎの矢作兼(48)、千原せいじ(49)などがいる。その体形を思い浮かべると、肥満の男性だけの病気という考えが誤解だとわかる。

 次に、在宅で脳波を測定する装置を付ける精密検査を受ける。料金は1万2000円弱(3割負担の場合)。

 その結果、再び、目を疑うような結果が出た。