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2020/06/01

1カ月で60時間も活動時間が増えたことに

 従来なら、朝9時から仕事を始め、夕方5時には、やる気と気力が尽き果てていた。ところが、今は、さらに2時間ほど活発に活動できる余裕がある。1日が2時間延びたというのが私の体感だ。1週間で14時間、1カ月で60時間も活動時間が増えたことになる。年齢に置き換えると、10歳は若返った感じがする。

 11月に入り、病院で診察を受け、1カ月分の「CPAPレポート」を受け取った。CPAPには、睡眠時に無呼吸低呼吸が何回起こったのかを記録する機能も付いている。

 それによると、最初の1カ月間で私の無呼吸低呼吸の回数は、平均で1時間当たり1.7回へと劇的に減少した。SASの定義が1時間5回以上なので、CPAPを付けることでSASから脱却でき、毎晩、熟睡できるようになったのだ。

 CPAPのレンタル料が月額3000円(3割負担)、それに治療費が750円(同)かかるが、ぐっすり眠れるのなら、この金額は安すぎる、という気持ちである。

CPAPを装着する筆者

 ただ、依然として私には入眠障害などが残るため、睡眠に関するすべての問題が解決したわけではない。睡眠薬は今でも飲んでいる。しかし、私の睡眠と生活の質が飛躍的に改善したことは間違いない。

日本にSAS患者はどのくらいいるのか?

 日本でSASを患っている人はどのくらいいるか。

 最新の研究では、重症患者は400万人から500万人いると推定される。そのうち治療を受けているのは一割弱の約40万人にすぎない。多くの患者は、そうとは知らず、呼吸が止まりながら夜を過ごしているのだ。

 保険治療が適用されるのは、無呼吸低呼吸の回数が1時間当たり20回以上。それに達しない中等症や軽症の患者は、2000万人から3000万人に上るという。

 先に睡眠学者の「睡眠については、まだ全体の5%も分かってない」という言葉を引用した。

 だが、SASの判定は簡単である。簡易検査器を付けて、自宅で一晩眠るだけで翌日には結果がわかる。

 では、どうやって診断してくれる病院を見つけるか。

 私が薦めたいのが、SASを検査する簡易検査器を持っている病院かどうか、ということ。インターネットで簡易検査器(「簡易式ポリソムノグラフィー」や「在宅フル PSG検査装置」と呼ぶ)を検索すると、病院のリストが見つかる。

 簡易検査器がある病院で問診後に、検査してもらうだけでいい。一両日中に黒白が付く、簡単で確実な検査だ。そうだとわかれば、精密検査に進めばいい。違うのなら、自分の不眠はSASと関係ないことがはっきりする。

 睡眠に不安や不満を抱えて悩んでいる人には、ぜひ検査を勧めたい。

よこたますお
1965年、福岡県生まれ。関西学院大学卒業後、予備校講師を経てアイオワ大学ジャーナリズムスクールで修士号。物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務め、99年フリーランスに。主な著書に『ユニクロ潜入一年』『潜入ルポ amazon帝国』『仁義なき宅配』など。

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