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2020/06/01

30年に及んだ“癒着”からの訣別

 06年に、前年末に発生したJR羽越本線脱線事故の責任をとって相談役に退いた後も、「個人事務所を立ち上げ、財界活動を続けていた」(同前)という。

 ところが18年の春闘で、JR東労組から「スト権行使」の通告を受けたJR東日本は発足以来、労使間で締結を続けてきた「労使共同宣言」の実質的な破棄を通告。約30年に及んだ革マル系労組との癒着からの訣別、つまりは「松田労政の転換」を内外に宣言したのである。これを機に、JR東日本社員の約8割、約4万7000人が加入していたJR東労組から3万5000人以上の組合員が脱退し、同労組は瓦解した。

 その約1年後の19年4月、私はこの件について、松田氏本人の思うところを伺いたいと、氏の個人事務所を通じて取材を申し込んだ。が、数日後、秘書を通じて「体調不良」を理由に断られた。振り返れば、この頃には既に、お体を壊されていたのだろう。

 昨年11月の中曽根元総理に次ぐ、松田氏の訃報。「昭和」がまた一歩、遠ざかっていく。

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