昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

振り込め詐欺集団VS警察のバトル “詐欺用メモ”をフライパンで焼く……証拠隠滅の手口

 振り込め詐欺集団と警察による熾烈なバトルが、新たな局面に突入しつつある。5月28日に決行されたアジトの摘発では、死人が出る“事故”が発生した。

警視庁担当記者の話。

「警視庁組織犯罪対策総務課が、特殊詐欺事件の容疑者が潜む大阪市内のタワーマンション29階の一室を訪問。ピンポンしても応じなかったため、ベランダの窓を割って踏み込むと、中にいた若い男が別のベランダの柵からエレベーターホールに飛び移ろうとして失敗し、1階のひさし部分まで転落、即死しました。ターゲットだった職業不詳の男(36)は詐欺の疑いでその場で逮捕されています」

写真はイメージです ©iStock

 警視庁が大阪まで出向いて捜査をするのは珍しく思えるが、ここ数年はむしろ日常的なシーンだという。

「組対総務課は反社会的勢力を担当する部署で、情報があれば都内に限らず捜査します。しかも、振り込め詐欺などの特殊詐欺の捜査では、人員に余裕のある警視庁が全国の捜査センターとしての役割も果たすようになっている」(同前)

 警察庁の統計によると、特殊詐欺のアジト摘発数は数年前から順調に推移。2013年に24件だったのが翌年から40件を常時超えるようになり、昨年も43件を摘発している。

 警察幹部は「特に詐欺の電話をかける“かけ子”のアジトはかつての過激派と同様、厳重になりつつある。玄関はチェーンやネジなどで完全に塞ぐケースが多い」と解説。さらに、証拠を押さえるのも容易ではない。