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「人生、虚しく生きてきた」両親の遺体は血の海に……36歳息子の「殺害動機」

 事件前日、男は9日間にわたり濃密な時間を過ごしてきた“親友”に対し、積年の苦悩を打ち明けていた。

「俺の親、おかしいんよ。自分たちが遊ぶのはいいのに、俺が家に友達を呼ぶのは嫌がるけん」

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「お父さんとお母さんを殺してしまいました」

 5月24日早朝に埼玉県富士見市で起きた両親殺害事件。東入間署を訪れた無職・吉留貴裕(36)はそう話し、堰を切ったように泣き喚いた。署員が自宅マンションに直行すると、血の海に両親の遺体が横たわっていた。

「両親を殺害した貴裕が殺人容疑で逮捕されたのは同日夜のこと。事件当時、長男・貴裕と両親の3人はひとつ屋根の下で暮らしていた」(社会部記者)

犯行現場の自宅マンション

 貴裕と交流のあった60代男性が語る。

「朝、近所のイオンに隣接する公園で2~3回話しかけられたことがあるのですが、言うことが支離滅裂だった。数日前は『また僕の話を聞いてください』と話していた」

 周囲ではトラブルが絶えなかった。

「今年4月にも警察への通報があり、貴裕は『俺は暴力団の手下。クスリが……』と口走るなど、興奮状態だったといいます」(前出・社会部記者)