昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載近田春夫の考えるヒット

ドラムもキーボードも複数……大所帯ガールズバンド・コロイカのライブはどうなってる?――近田春夫の考えるヒット

大人数ガールズバンド

2020/06/17

『僕はしあわせなのか?』(ザ・コインロッカーズ)/『STARRY SKY』(PassCode)

絵=安斎 肇

 女子アイドルは未だに進化し続けている? のかどうか。実は俺にも正直なところはよくわからない……。

 ところでザ・コインロッカーズだが、なんでも当初、ガールズバンドプロジェクトを謳い文句にかかげていた頃にはメンバーが41人もいた! とかで、一体どんなステージだったのかいなと想像すると、もうそれだけでアタマがクラクラしちゃいますよ。'20年になり13人体制に落ち着き、宣伝文句もガールズバンドアイドルとなったそうだが、そうだとしても相当な大所帯であるのに変わりはない(私も過去に12ピースのバンドをやっていた経験上いえるのだが、それは仕切るにも結構大変な人数なのである)。

僕はしあわせなのか?/ザ・コインロッカーズ(ワーナー)2018年に秋元康とワーナーミュージックがコラボして誕生。本作でシングル2枚目。

『僕はしあわせなのか?』の動画を見てみると、ドラムやキーボードの担当が、複数人存在していることが確認出来る。ではそうした人員構成で演奏の繰り広げられることの必然性が、編曲等に反映されているのかと問われると、何ともいい難いものもある。

 雑ないい方をすれば、これなら別にそこまで“大動員”かけなくてもいいんじゃない? と思えてしまうぐらいに、普通の音像なのだ。

 いずれにせよ、これはライブがどのようになっているのか、人情としても気になってくるところである。

 そこで検索してみると、ライブハウスのギグとおぼしき「コイロカ青」名義の映像が見つかった。案の定、危惧していたとおり全員の参加ではなかったので、楽しみは正直申して半減したけれど、気を取り直してチェックをすると、ボーカル、ドラム、キーボードに一人ずつ。ギターが二人と、そこまではオーソドックスといえる編成なのだが、ベースに二人を配している絵面は新鮮だったかも(一応確認の為、今一度プロモーション用の動画を観たのだが、本来からベースが二人なのかは、カット割りが細かすぎて、ちょっとわからなかった)。

 それにしても謎なのは、ライブ映像を見る限りでは、たしかに彼女たちはしっかりと演奏しているのだ。にもかかわらず、出音はツインベースにはどうしても聞こえないことで、ついでにいえば、間奏のリードギターも、絵と音が微妙にズレている気がした。

 誤解して欲しくないのは、これは決して批判や糾弾なのではなく、単に興味深いというだけの話だということで、色々考えたのだが、ひょっとして一本の方のベースは音がミュートされてる? リードギターは舞台の袖とかにサポートのミュージシャンが控えてる? って寸法なのかな。もし私の勘違いだったらゴメンね。それと、このベーシストたち、二人それぞれ、なんか佇まいにいい味がある。ここからミュージシャンとしてどう成長していくのか、ちょっと楽しみなものがあったことは付け加えておきたい。楽曲は無難だったですけどね。

STARRY SKY/PassCode(ユニバーサル)2016年メジャーデビュー。大阪を拠点とし、ラウドロックをアピールポイントとするアイドル。

 PassCode。

 系譜的にはベビーメタルだろうか。音作りの隙のなさには、一聴の価値ありかと……。

今週の投函物「もう6月入って梅雨だけど、ようやく今週オレのうちにもマスクと10万円申請書が届いたよ。そのマスクの袋をしみじみながめているとさ、安倍晋三さんがつけてるマスクって、これより小さい感じがするんだよね。それともお顔がでかいのかな」と近田春夫氏。「なんにせよ、このマスクは今年の象徴として未開封で保存しておくことにするよ」

ちかだはるお/1951年東京都生まれ。ミュージシャン。現在、バンド「活躍中」や、DJのOMBとのユニット「LUNASUN」で活動中。近著に『考えるヒット テーマはジャニーズ』(スモール出版)。近作にソロアルバム『超冗談だから』、ベストアルバム『近田春夫ベスト~世界で一番いけない男』(ともにビクター)がある。

この記事の写真(3枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー