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“幻の自伝本”では浜崎との恋愛は伏せられた

 2019年12月、A子さんから提供された “幻の自伝本”の原稿にこんな一節があった。

《僕は、芸能界は、純粋な世界だと思っている。自分のものすごい恥ずかしいところや、人に言えないようなことをお互いに見せ合うということは、信頼し合えたという証だと思う。そこに、恋愛を超える愛が生まれる人がいても、何も不思議じゃない。お互いのすべてをさらけ出してしまえば、傷つくこともあるし、面倒なことだってたくさんある。しかし、相手を想う純粋な気持ちが、愛が、大ヒットへの道になることがある。僕は、愛ほど強いプロデュースの方法を知らない》(松浦氏自伝本原稿より)

テレビ朝日「M」公式HPより

「文春オンライン」取材班がA子さんへの取材を行ったのは、折しも小説「M」が同年夏に発売され、ドラマ化が発表されて話題になっていたタイミングだった。松浦氏が《愛ほど強いプロデュース》をしたのは浜崎あゆみなのか。A子さんに尋ねると少し口ごもりながら、こう明かした。

「『M』で明かされているので言っても構わないと思いますが、その通りです。取材では松浦さんは浜崎さんとの過去について饒舌に語っていました。しかしそれを原稿に反映したところ、松浦さんから『あゆと付き合っていたことは公表したくない』と言われ、後に大幅に原稿を削ったんです」

 しかし何の心境の変化があったのか、その後に小説「M」で浜崎との恋愛模様を明かしたのだ。それは小説という体裁をとることで、“不都合な真実”が隠しやすかったからなのかもしれない。

松浦勝人氏 ©AFLO

あゆを芸能界の権力者らに“顔見せ”

 小説「M」は、地方から上京した不安げなあゆが、17歳で31歳のマサと出会うところから物語が大きく展開していく。あゆはマサと出会った後、歌のレッスンのために米ニューヨークへと旅立ち、スパルタ講師の下で練習に打ち込む。作中で涙を流しながら必死に食らいつくあゆは、この頃からマサに対する思いを募らせていくのだ。

 帰国後、あゆはデビュー曲のレコーディングやプロモーションに忙殺されていく。そんななか、マサはNYから帰国したあゆを芸能界の権力者らに“顔見せ”する。小説「M」では、その時の様子がこのように描かれている。

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