別れた後も未練があったのは浜崎よりも松浦氏
小説「M」では、この事件の後もあゆのマサへの想いが薄まることはなかった。しかし、マサはあゆの人気が社会現象となっていくにつれてプロデューサー「max matsuura」としてアーティスト「浜崎あゆみ」に接することが増えていく。2人の気持ちはすれ違い、ついにマサからあゆへ別離の電話がかかってくるのだ。
「Fly high」のレコーディングが終わった頃、マサから電話があった。清々しいほどに淡々として。
(中略)
「俺さ、経営や新人発掘、プロモーションから離れて、音楽制作だけに専念することにしたよ。ハワイに住んで向こうのスタジオで楽曲を作るよ」
(中略)
そして、その日の夜から涙が涸れるまで泣いた。その慟哭は、マサが私の人生から消えてしまったことへの悲しみだけが理由ではなかった。
私は知っていた。マサのように愛する人が、二度と現れないことを。
「M 愛すべき人がいて」より引用
その後、あゆの携帯電話にマサから電話がかかってくることはなかった。
しかし、現実では別れを切り出したのは浜崎だったようだ。松浦氏はA子さんにこう語っている。
松浦氏《○○(浮気相手のAV女優)がどうのこうのじゃなくて、(浜崎が)「じゃあもういいよ、別れようよ」って別れて》
松浦氏《私たち2人がこれ以上一緒にいてもお互いのためにならない、っていう考えが彼女の中にあって。束縛し合ったりするっていうことで。彼女は離れた方がいいって思っているところに、(浜崎が松浦氏の浮気現場に遭遇した)その靴の事件が起きたから》
松浦氏《結局あゆって頭いいから、俺のことを吸収したら次に行きたがるから、次に行きたがってんのがわかったから、まあそれはそれでいいなって思って。全部を吸収してるとは思わないけど、ある程度吸収したし、俺も結構本気で好きになっちゃってたからさ、女々しかったわけよ。ダメだなあと思って》
小説「M」では浜崎と破局後に、マサは音楽制作を理由にハワイへ旅立つ。しかし松浦氏がA子さんに語っていたハワイ行きの理由は楽曲制作ではない。
松浦氏《んで別れて、俺は別れる前からハワイに住んで、曲を作ってて、「A song for XX」を全部つくって、あゆとやりとりしながら、そん時は好きだったな、最初のうちは。でもまあ結果別れて。「A song for XX」が出て》
松浦氏《しょうがないじゃん。俺はすっごい後引きずって……そのあとハワイ行ってもずうっと引きずったし、DREAMなんかやったってぜんぜん面白くないし》
小説「M」ではクールな音楽プロデューサーとして描かれている松浦氏だが、実際には恋人への未練を長い間拭えなかったようだ。そしてその未練ゆえ、松浦氏は浜崎と破局した後、驚きの行動に出ているのだ――。
後編に続く

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