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二階幹事長も怒り心頭

 学歴詐称疑惑は“ウソの女帝”の氷山の一角に過ぎない。都知事選出馬を巡っては、これまで頼りにしてきた自民党の二階俊博幹事長をも翻弄した。

「小池氏は、前回知事選で自民党を激しく批判していましたが、その後も二階氏とは折に触れて面会。二階氏は彼女の肩を持ち続けてきた」(政治部デスク)

 3月には、二階氏が自民党都連幹事長の高島直樹氏と会談し、その後、都連は独自候補擁立を断念。小池氏圧倒的優位の土俵が整った。二階氏は小池氏から要請があれば「直ちに自民党として推薦する」とも公言してきた。だが、これまで対峙してきた自民都議団が納得するわけもなかった。党幹部が解説する。

「6月3日、都議会では自民都議が『女帝』を手に学歴詐称疑惑を追及。9日にはカイロ大卒の証明書を求める決議案を議会に提出しようとしたのです」

 これを巡っても、二階氏は一肌脱いだ。

「自民都議団の動きを聞きつけた二階氏が、側近の林幹雄幹事長代理を使って“そんなことをしたらエジプトを敵に回すことになるぞ!”と止めに入ったのです。結果、翌10日に自由を守る会・上田令子都議が単独で決議案を提出し、自民は言い出しっぺなのに反対に回る支離滅裂な対応に。さらに二階氏は、仲がこじれた小池氏と都議団の関係を修復すべく、今も自民党都連に影響力をもつドン・内田茂前都連幹事長に小池氏が頭を下げる一幕まで演出しようとした」(同前)

二階幹事長

 ところが――。小池氏は二階氏の側近・林氏に電話でこう伝えてきたという。

「自民党都連からいじめられたので、推薦のお願いはしません」

 圧勝の舞台が整ったとたんに自民党を袖にして“特定の党ではなく都民ファースト”をアピールする小池氏が一枚上手だった。怒り心頭の二階氏は「自民から独自候補を当選させようと思ったら5億円はかかる。金を使わなくていいからよかったじゃないか!」と強がったが後の祭り。林氏も「都民党から出るんだとよ」と吐き捨てた。15日の自民党都連の総会後、高島幹事長は“小池氏推薦なし”について、「上が決めたものを了承しただけ」と言葉少なに立ち去った。

 あの老獪な二階氏さえも振り回した小池氏。その言動を憂慮する元在日エジプト大使館職員(前出)の声が重く響く。

「首席卒業とはいくら何でも大風呂敷を広げ過ぎ。本当に優秀な卒業生なら、証書以外にバックアップする同窓生が出てきてもよさそうなものですが」

 4年前、「都政の透明化」を掲げ当選した小池氏。自らの経歴、言動にも透明化が求められている。

女帝 小池百合子

石井 妙子

文藝春秋

2020年5月29日 発売

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