「息子が息をしていない!」
東京・町田市の閑静な住宅街にある一軒家から、動転した女性の声で110番があったのは6月23日午後9時40分頃のこと。
近隣住民が語る。
「夜遅くに救急隊や警察が来ていたので何かと思って外に出たら、小さい男の子が心臓マッサージを受けながら運ばれていたんです。おばあちゃんらしき人が『うちの孫が……』とうろたえていました」
男の子は搬送先の病院で死亡が確認され、死因は窒息死とみられる。警視庁はこの2歳の長男・崇太郎ちゃんを殺害した疑いで、母親の武田華佳(はるか)容疑者(31)を逮捕した。
社会部記者が解説する。
「一家は華佳と夫、亡くなった崇太郎ちゃん、双子の姉の4人暮らしで、近所に祖母が住んでいた。事件前、4人は1階のリビングにいましたが、華佳と夫が口論になってしまい、それを見ていた崇太郎ちゃんがぐずりだした。なかなか泣き止まなかったため、華佳は崇太郎ちゃんを2階の寝室に連れて行き、長さ約2メートル、重さ約4.8キロの敷布団でぐるぐる巻きにして放置したのです」
ところが40分ほどして、泣き声がしないことに気づいた華佳が2階に上がると、崇太郎ちゃんはすでに息をしていなかった――。
武田家は周囲からは、ごく普通の家庭に見えていた。
「昨年、引っ越してきたばかりで、旦那さんはソフトウェアの開発を手がける会社に勤め、奥さんは専業主婦として育児に専念していました」(前出・近隣住民)