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そもそも、なぜ安倍官邸に近い河井夫妻を起訴できたのか? 東京地検「黒川外し」のカラクリ

2020/07/09

「東京地検特捜部は7月8日、公職選挙法違反(買収)の罪で前法相の河井克行衆院議員と妻の案里参院議員を起訴しました。特捜部は2010年1月の石川知裕衆院議員の逮捕・起訴後、およそ10年にわたってバッジ(国会議員)には手が届きませんでしたが、現特捜部長の森本宏氏は在任中に3人の国会議員を逮捕・起訴したのです」

 ある検察担当記者は、こう語る。克行前法相は昨年3~8月、案里議員が初出馬した参院選で、94人に票の取りまとめを依頼するなどして計約2570万円を渡したとして、また案里議員は、うち5人に対する170万円の配布について共謀したとして、特捜部に逮捕されていた。

起訴された河合克行、案里夫妻 ©アフロ/共同

「平成に入って以降、元職も含めて国会議員を3人以上、逮捕・起訴した特捜部長はほかに、4人を逮捕・起訴して検事総長にまで上り詰めた笠間治雄氏しかいません。2010年の大阪地検特捜部証拠改竄事件と、小沢一郎元民主党代表の秘書だった石川議員の取り調べについて東京地検特捜部の検事が『虚偽』の内容の捜査報告書を作成していたとして、2012年に佐久間達哉元特捜部長らが処分された問題の影響で『仮死状態』にあった特捜検察を、森本氏が完全に復活させたのです」(同前)

森本特捜部長 ©時事通信社

 5日後に国会召集を控えた今年1月15日、広島地検は案里議員の車上運動員に違法な報酬を支払った疑いで河井夫妻の地元事務所などを家宅捜索。夫妻宅から現金の配布先とみられるリストを押収した。これが証拠となって、捜査は本格化したとされる。