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連載完全版ドキュメント・北九州監禁連続殺人事件

2020/07/28

genre : ニュース, 社会

殺人容疑で逮捕されても、変化のない松永と緒方

 その4日後の9月23日、捜査本部は福岡県瀬高町(現みやま市)にある松永の姉の家を、花奈ちゃん殺人容疑で家宅捜索した。この捜索について、捜査員は福岡県警担当記者の取材に次のように話している。

「とくに意味のあるガサ(家宅捜索)ではないが、一応、全部やれるだけのことはしようというガサだった。以前、松永の父親に打ったガサと同じ。ただ、そのときはカネの動きがつかめてないので、そこらへんが中心。とはいえ、とくになにかいいものを押収したとは聞いていない」

 9月26日には、松永と緒方が花奈ちゃん殺人容疑で逮捕されたことを受け、福岡地裁小倉支部が、10月7日に予定していた第3回公判を延期することを決定した。

※写真はイメージ ©iStock.com

 これまでとは違い、初めて殺人容疑で逮捕された松永と緒方だったが、10月1日の段階で、取り調べへの対応に変化は生じていない。捜査員は言う。

「松永は雑談には応じる。緒方はなにも話さない。事件の供述はいまだに得られていない」

 このような状況が続くことから、捜査員のなかには松永に対して「腹ん底から崩れとる人間や」と吐き捨てる者もいたようだ。

“独自”記事に捜査幹部が強い反発

 そうしたなか、10月4日の読売新聞(西部本社版)朝刊に〈北九州監禁殺人 緒方、松永被告 おい殺害で再逮捕へ「感電死」容疑強まる〉との“独自”記事が掲載された。

北九州監禁連続殺人事件をめぐる人物相関図

 これは捜査本部が緒方のおい(緒方の妹の長男)の佑介くん(仮名、死亡時5)を、松永と緒方が感電死させた疑いが強まったとして、二人を殺人容疑で再逮捕する方針を固めたというもの。

 記事中には少女(清美さん)が捜査員にしたという証言にも触れており、〈「花奈ちゃんと同じように、佑介くんも、心臓などに電気ショックを繰り返し加えられ、死亡した」〉(同紙より)との具体的な文言が入っていた。