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父は裁判所の事務官、母は1万円を残して家出

 今はその日暮らしのAだが、以前は札幌市内のマンションで両親と一緒に30年近く暮らしていた。父は裁判所の事務官、母は専業主婦という家庭で、兄と妹の3人きょうだいだった。

「兄と妹は早くに独立したのですが、Aさんはてんかんの持病があり、定職にはついていなかったようです。よく怒鳴り声や大きな物音が聞こえてきて、Aさんが暴れているんだなと思っていた。6年ほど前にお父さんが亡くなってからは、お母さんと2人で暮らしていたのですが、やがてお母さんも限界を迎えてしまって。3年前に置き手紙と1万円を残し、家出してしまったんです」(実家の近隣住民)

 母親はその後、マンションの部屋を売却。居場所がなくなったAが2年ほど前に行き着いたのが、現在住んでいる家賃3万5000円のアパートだ。Aを何度か現場で使ったことがあるという道内の建築関連会社の社長は、次のように話す。

「とにかく変わった人でしたね。フェイスブックを出会い系サイトと勘違いしていて、休憩時間に急にアカウントを作り、すすきののニュークラブの女の子たちに友達申請をしまくっていた。外国人の不法就労で3年前に逮捕された暴力団組員に使われていたこともあったし、金には困っていたようです」

犯行現場の道路

 別の知人が続ける。

「現場に派遣すると、だいたいクレームが来てしまう。派遣先から苦情が来なければラッキーという感じでした。お金が無くなると泣きついてきたり、『俺を仕事で使わなかったら覚えとけよ』とか、脅迫めいた留守電を残したりもする。金が入ると現場をドタキャンすることもよくありました。プライドが高く、ちょっとでも見下されたと感じると、すぐに癇癪を起こすタイプです」