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「久美さんのために頑張る」はずが……女子バレー新鍋理沙“電撃引退”、中田ジャパンに“3つの衝撃”

 東京五輪での金メダル獲得を目指す女子バレー日本代表に、暗雲が垂れ込めている。きっかけは、新鍋理沙(30)の突然の引退だ。

 新鍋は、2012年のロンドン五輪に出場し、銅メダル獲得に貢献した。スポーツライターが解説する。

「簡単に言えば、日本で一番守備が上手い。特にサーブレシーブに関しては、新鍋に勝る技術を持った選手はいません。近年はコート内でリーダーシップを発揮するなど、精神的な意味でも存在感は大きかった」

Vリーグではサーブレシーブ賞を6度受賞 ©文藝春秋

 今年で30歳を迎え、経験、技術、精神は円熟期に入り、東京五輪では中心選手として活躍が期待されていた。新鍋は、引退会見で「1年後を描いた時にいいイメージが持てなかった」とモチベーション低下を理由に挙げた。テレビ関係者は、この引退は、中田久美監督率いる女子日本代表に3つの衝撃を与えたと嘆く。

「第一に『戦術』面での影響です」

 中田監督が目指す「スピード」と「精度」を極めるバレーにおいて、新鍋は核となる選手だった。昨年のW杯を制した中国、一昨年の世界選手権を制したセルビアなど、世界の強豪国は高さとパワーで圧倒的に日本を上回る。加えて、男子選手さながらのジャンプサーブや、レシーブ時にボールが変化する無回転サーブなど、サーブ力も突出。サーブを制するものが世界を制す、と言っても過言ではない中、サーブレシーブの名手・新鍋の離脱は大きな痛手となる。

「石井優希や古賀紗理那、黒後愛など攻撃力がある選手はいても、守備に長けた選手はいない。そもそも中田監督のバレーは新鍋がいてこそ成し得る形だったはず」(同前)