起訴された2件の殺人については“無罪主張”
また、花奈ちゃんや孝さん以外の親族の死については「“7人死んだ”や“緒方がやった”といったことは、いまの段階では申し上げられない」としつつ、次のように話す。
「(松永は)花奈ちゃん、孝さん殺害について、少なくとも『関与していない』と言っていました。これは実行行為も指示もしていないという意味なのでしょう。内容は言えませんが、彼は弁護士に対して、花奈ちゃん、孝さんの生死については話しています。そこに“死んだ”という言葉があるかどうかは、まだ調書もない段階なので……、正確に確認していないことなのでわかりません」
なお、初接見の場では、被害者の遺体損壊や処理についての話はしなかったそうだ。
「今後の見通しとしては、(起訴された2件の殺人については)“無罪主張”となりそうです。そのため、殺人については争うことになると思われます。弁護団としては、(殺人罪について)物証もないので、慎重な捜査を要求していくつもりです。また、(捜査に)おかしな点があれば追及したいと思っています。なお、いまのところ身上・経歴も含めて(松永の)調書はひとつもありません」
今後は基本的に週1回、金曜日の昼に記者へのレク(レクチャー)を行うということになり、会見は終了した。
県警捜査幹部の囲み取材
その日の夜、福岡県警の捜査幹部は記者たちの囲み取材で次のように話している。記者をQ、幹部をAとして記す。
Q「今日、松永弁護団の会見がありましたが、松永は(取り調べで)喋ってますか?」
A「全然。調書(作成)にはまったく応じていない」
Q「緒方にはなにを聞いてるんですか?」
A「これまでの流れ全般の話たい」
Q「再逮捕は来週ですか?」
A「うーん、どうかわからん」
Q「次は当初の予定通り(緒方のおいの)佑介くんでいきますか?」
A「うちはそれでいこうと思っているが、地検がどう判断するかはまだわからない」
Q「年内はあとどれくらい(逮捕は)いきそうですか?」
A「ひとヤマ(1事件)やな。残りは年を越すことになるやろ」
まだ11月前半であるが、2002年内の再逮捕は1件だけで、残りは翌年に持ち越されるということを、捜査幹部は示唆したのだった。
